昭和考古学とブログエッセイの旅

昭和の遺物を訪ねて考察する、『昭和考古学』の世界へようこそ

台湾に残る日本語の世界 Part.2

 前回の記事の「アタマコンクリ」、台湾には日常会話に相当の日本語が入っていることに衝撃を受けた人が多かったと思います。

 

parupuntenobu.hatenablog.jp

 

台湾で使われている台湾語や北京語などに浸透している日本語を、「日式台語」と言います。和製英語ならぬ台湾製日本語なり。

前編の反響を見て、台湾に残る日本語事情を20年以上前から知っている私にとっては、あれ、みんな意外と知らないのねと衝撃でした。それでも調べていくうちに予想以上に残る日本語の数々に、書いた本人も衝撃を受けました。

 前回は適当に書かせていただきましたが、これは面白いとさらに調べてみるとなかなかおもしろい世界が開けてきました。

今回は、そんな「あなたの知らない『日式台語』」のさらなる世界を。

 

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台湾に残る日本語 Part.1

目次:

  • 台湾の言語事情
  • 台湾史から見る日本語
  • 台湾に残る日本語
  • 台湾で見つけた「日本語」
  • 昔はもっと残っていた日本語

 

台湾の言語事情

日本統治50年の歴史がある台湾には、今でもしれっとしたところで「日本文化」が残っていたりします。
昔の日本の姿のまま残されているものもあれば、時代と共に台湾ナイズされ原型をほとんど留めていないものもあるのですが、そういった「日本人の置き土産」がいちばん色濃く残っているのが、言葉です。

 

台湾で使われている言葉

台湾で使われている言葉を簡単にまとめると、上の図となります。

「中国語族」「原住民語族」は、私が便宜上勝手につけた名称で、言語学的にはカッコ内の名称となります。

台湾で話されている言葉は、「中国語族」が圧倒的ではあるし、普段耳にする言葉も「中国語族」がおそらく99%。しかし、こうして見てみると台湾ってかなりの多言語・多民族国家なのです。

一つ注目すべきは、日本統治時代は「高砂族」と呼ばれた原住民の言語が、オーストロネシア語族だということ。たぶん、私の年齢以上だと、「マレー・ポリネシア語族」で覚えていたはずなので、あれ!?といぶかしむ人もいるはず。

オーストロネシア語族とは旧マレー・ポリネシア語族の新名称なのですが、マレーシア・インドネシアから太平洋上のパラオ、NZのマオリ族、最東端はハワイやタヒチ、最西端はアフリカのマダガスカルの言葉までを網羅する、広い範囲の言葉の集団です。

太平洋を網羅するこの言語集団の根っこの原郷が、実は台湾原住民の諸言語です。

 

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15年前くらいまでの常識では、人類の移動はこういう流れだと覚えているはずです。17年前のNHKスペシャル『日本人 はるかな旅』でも、このルートが紹介されています。

 

しかし!最新の言語学や考古学の研究の結果、現代ではこういう流れに。

 

オーストロネシア語族の分布の流れ

矢印の方向が真逆になっています。

およそ5500年前、台湾からある集団が南下しフィリピンに渡り、1000年かけてニューギニアまでたどり着いたという流れです。大昔の東南アジアの言語が、原住民の言語に生きた化石のように残っているということです。

また、これは異論もあるのですが、台湾から一部北へ向かった集団もおり、日本語も母音で終わる語彙の構図がオーストロネシア語族の特徴を色濃く残しているとされています。

  

・・・話が脱線しそうなので、元に戻すことにします。

 

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今の中国は何故尊敬できないのだろうか。その歴史的経緯

中国

 

前回に書いたブログ

 

parupuntenobu.hatenablog.jp


はてブに、kame710さんからこんなコメントがありました。

 

昔の中国はこんなにすばらしかったのに、今はあんまり尊敬できることなく、残念です。

文字からため息が聞こえてきそうなこの言葉、同じような声がいろんな所から聞こえます。

そう思ってしまうのもごもっとも。
だって私もそう思いますもん。中国のことを知れば知るほど、その思いは深くなります。

 

中国は、日本の歴史や文化形成に多大な影響を及ぼしてきました。いちいち書くまでもありません。
これは、いくら中国が嫌いな「嫌中派」でも認めざるを得ません。


明治時代までは、日本の教養人の条件は中国古典、つまり漢文に精通した者というのが絶対条件でした。
幕末~明治維新の洋学(蘭学)マスターたちも、教養の土台は漢籍なのです。
福沢諭吉しかり、夏目漱石しかり、西郷隆盛しかり。

 

それだけ日本に大きな文化を与えてきた中国ですが、歴史をサラッと学ぶと、ある時代から急に面白みがなくなることに気づきます。
それは何故か。そこを紐解いてゆくと、中国が抱えるある「怪物」の存在に気づきます。

今日は、そこを考察していきたいと思います。

 

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八田與一像破壊事件犯人逮捕-台湾に巣食う親中派と反日

やはり「あいつら」だった

 

台湾での八田與一の「斬首」事件、捜査が難航するかなと思ったのですが、犯人があっけなく出頭しました。

犯人は元台北市議の李承龍という男で、共犯として台南に住む邱晉芛という女も逮捕されました。

 

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顔を見ると、いかにもどころか、想像以上の悪人面ですな(笑)

 

 

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もう一人の邱晉芛なる女の顔も、なんだか「さもありなん」という顔をしているのは気のせいか?

 

更に、切り落とした八田氏の像の首を斬った証拠のつもりなのか、写真撮影までしています。

 

八田與一像を斬るチェーンソーで斬る李承龍

 

 

八田與一の像の首を切り落とした李承龍

 

もはや正気とは思えんな…。

地元紙の19日の最新情報によると、2~3年前からこの計画を立てており、5月8日の八田氏の命日を狙って行ったとのことです。

また、報道ではチェーンソーで斬ったと報じられていますが、彼の供述と写真から手ノコで2時間かけて斬ったようです。

動機も、日本統治時代の「美化」や、蒋介石の銅像がないがしろにされている反面、八田氏などの銅像が大切にされている状況に不満を持っていたとのこと。

  

前回の記事で、台湾の反日勢力の仕業ではないかと書いたのですが、私の読みが当たりました。

 

parupuntenobu.hatenablog.jp

 

やっぱりね、という感想で驚きもしません。

 

前回、八田與一は「台湾版王貞治さんのようなもの」と書きました。

王さんは日本で活躍して不滅のホームラン記録を持っている元プロ野球選手ですが、日本人ではなく中華民国籍(外省人2世)です。でも我々は彼が台湾人ってほとんど意識することはありません。

八田與一も、台湾人、特に台南の農民にとっては同じような存在だと言えます。

なので、今回の事件は日本の王さんの銅像の首が斬られるようなもので、野球ファンにとっては許しがたい行為ですよね。そんな感覚で結構かなと思います。

 

「台湾=親日」と思っていた方々にはショックかもしれませんが、台湾には元々国民党と一緒に台湾へ逃げた人たちの子孫もいるし、その後「中国に注射された台湾人」も少なからずいます。
割合としては極少数なのですが、一定の数の支持を得ている現実もあります。


ここで、台湾に巣食う「親中派」を整理してみます。

 

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中国はなぜ台湾の独立を認めないのか

中国人がGoogleで「台湾」と検索したら・・・

 

中国ではGoogleは使えません

 

中国では、日本ではふつうに見られるWebサイトに閲覧制限がかかり、見ることができないことが多々あります。

例えば、以下のサイトは基本的に、中国からは閲覧不可です。

・Twitter、Facebookなどの海外SNS系(mixiは全然大丈夫)

・Youtube、ニコニコ動画

・主な日本のブログサイト(FC2等)

・Wikipedia

・LINE

はてなブログは、中国から書き込んでいる人もるので、OKのようです。

 

ダライ・ラマ法王など政治的に都合が悪いものや、台湾や香港のサイトも基本的には制限がかかっています。.

中国政府は、通称「万里の長城」というファイヤーウォールを構築していて、海外の「有害な」サイトを閲覧できないようにしています。「有害」とは何か、それは共産党様のご気分次第。

 

我々日本人が日常でふつうに使っているGoogleも、実は中国では使えません

Googleは2006年に、大物入り中国に進出しました。検索サイトのガリバー中国上陸!とかなり話題になりましたが、中国政府の「ネット制限」を受け入れたためにアメリカ議会で大問題になりました。

アメリカ政府からの圧力を受けたのか、Googleは無条件での検索を政府に求めたのですが、中国からの回答は「嫌なら出て行け」と言わんばかりのそっけないものでした。

そこでGoogleは完全に嫌気がさして、2010年に撤退となりました。わずが4年の命でした。

今Facebookがしきりに中国進出を狙い、政府要人と接触を図っているようですが、Googleは「やめとけ」と止めているのだとか。

 

その代わり、「百度(バイトゥー)」という中華Googleがあり、コンテンツもかなり豊富です。

特にこの中にある「百度贴吧」という掲示板サイトは、良くも悪くも中国人民の本音が書かれています。規模だけなら2ちゃんねるに匹敵するでしょう。

今の中国の若者がどういうものに興味があって、どういうものの考え方をしているかを垣間見るには、もってこいのサイトです。

その中でも、ちょっと面白そうなものを拾って来ました。

 

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