昭和考古学とブログエッセイの旅へ

昭和の遺物を訪ねて考察する、『昭和考古学』の世界へようこそ

あなたの知らない、世界の仲が悪い隣どうしの国々

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「みんな仲良くしようね」

「お隣さんに迷惑をかけない」

我々が当たり前のように思っている「常識」ですよね。

 

しかし、それは「日本だけの常識」であって、海外では通用しません。

いや、理想論としては通用します。しかしあくまで理想論であり、机上の空論です。

海外の常識は、

「お隣だからって何で仲良くしないといけないんだよ!」

 です。

少なくても、日本的理想論及感情的的仲良論は通用しません。本当に仲良くして欲しい、仲良くしないといけないと心の底から思うなら、仲良くしないといけない確固たるロジックを用意しないと、外国人は納得しませんよ。

  

例外でお隣なのに仲が良い例外的な国・地域は、北欧諸国とイスラム共同体。しかし、後者はカタール周辺諸国の国交断絶や、スンニー派の国々とシーア派のイランなどの対立もあるので、もはや理想論だけになってしまいました。

 

敢えて言うなら、世界は「お隣さんどうしみんな仲悪い」と最小公倍数的に考えて結構なのですが、その中でも日本人が案外知らない、かつ有名な「犬猿の仲」をお勉強していきたいと思います。

 

 

 

トルコとギリシャ

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世界でも超がつくほど有名な犬猿の仲です。知らぬは日本人ばかりなり。

この二カ国、まだ国交を結んでいるのが「世界の七不思議です」と某日本大使館駐在外交官がつぶやくほど仲が悪い。

 

私がトルコを旅行していた頃、イスタンブール駐在の日本人商社マンから、トルコでやってはいけないタブー四箇条なるものを教えてもらいました。

1.左手で握手をするな、ものを受け取るな

2.靴の裏or足の裏を人に向けるな

(※非常に無礼な行為だそうです。遠距離バスの注意書きにも、「携帯で通話するな」などに並んで書かれていました。英語で書かれていたので外国人向けなのでしょう)

3.アタテュルク(近代トルコの父)の悪口を言うな

(※「アタティルク不敬罪」という法律に引っかかる犯罪です。冗談でもやめましょう。

最近は「大統領不敬罪」もあり、外国人の逮捕者も出ています)

そして最後に、

4.ギリシャを褒めるな

そんなに仲悪いのか!?と訝しむかもしれませんが、本当に仲が悪いのです。

サッカーでは同じ国別リーグですが、ワールドカップの欧州予選などでこの二カ国があたると、国民どうしがすごいことになるそうです。

 

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地中海に、キプロス島という島が浮かんでいます。金融業や観光業でGDPが案外高い国でもあり、シーズンになるとヨーロッパ中から観光客がやって来ます。

一見平和そうな島ですが、

 

北キプロスと南キプロス

 

南北に分かれて目下冷戦中です。

アジアで「南北に分かれた国」と言えば南北朝鮮を思い浮かべますが、ヨーロッパや中近東ではこのキプロスになります。

島の北部をトルコ、南部をギリシャ系住民で分けている状態ですが、それぞれバックにトルコ・ギリシャがいます。国際的に認められているのは南キプロスで、北キプロスを国として認めているのは、世界でもトルコだけ。北キプロスはトルコが資金援助して支えているので、事実上の植民地と言ってもいいでしょう。

トルコとギリシャは表向きには戦争していないものの、キプロスという島で代理戦争をしているようなものです。

 

ちなみに、パスポートに南キプロスのスタンプがあるとトルコ、北キプロスへ行くとギリシャ南キプロスへの入国が無条件で拒否されるので、ご注意を。

パスポートに○○国のスタンプやビザがあれば入国拒否、というパターンはけっこう多く、旅人の間ではイスラエルのスタンプがあると、一部を除く中東各国から一斉に入国拒否を食らうことは有名です。しかし、イスラエルもそこはきちんと考えていて、ある方法で「行ってないこと」にしてくれます。その方法とは、また機会があれば。

 

 

トルコとアルメニア

 

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この二ヶ国の因縁は、19世紀から20世紀に起こったアルメニア人虐殺」にさかのぼります。

オスマントルコに住んでいたアルメニア人が、100万~150万人(アルメニア側主張)虐殺されたという事件です。
日本ではほとんど知られていないですが、「トルコ版ホロコースト」と言われている計画的虐殺だったとされています。

 

しかし、トルコは虐殺の事実自体を否定しています。
そんなものアルメニア側のでっち上げだと相手にもしていなかったのですが、アルメニア側はアメリカ議会の民主党議員にロビー活動を行い、「ナチスと同等」という非難決議を採択させました。
これに怒ったトルコは、国交断絶已む無しとばかりにアメリカに噛みつき、最近まで関係はギクシャクしていました。
これは共和党が否定し、子ブッシュ大統領が議決を否定することによって表向きは解決しています。しかし、アメリカのアルメニア勢力とトルコのせめぎあいは今でも続いています。

 

よって、この二カ国は国境は接しているものの、封鎖されたり開いたりと安定していません。旅行に関しては、トルコからアルメニアに直接入れそうで、入れないことが多いです。国交も外交官交換はしているものの、関係は冷え切っています。

 

 

セルビアクロアチア

 

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セルビアクロアチアは、戦後の東西冷戦時代は「ユーゴスラビア」という一つの国でした。
しかし、ヨシップ・ブロズ・チトーというカリスマ独裁者(といっても、良い独裁者の部類)の政治力でつながっていただけのモザイク国家。
トーの死後は団結のネジが緩み、冷戦が終わるとユーゴスラビアは空中崩壊したかのように一気に分裂しました。

今では、
スロベニア
クロアチア
ボスニア・ヘルツェゴヴィナ
セルビア
マケドニア
コソボ
モンテネグロ
に分裂し、かつての「ユーゴスラビア連邦共和国」の面影はありません。
平成生まれの人なら、これらがかつて一つの国だったことすら信じられないかもしれません。

日本人は、国というものは「そこに常にある」もので、無くなるなどは思ったこともないはずです。
しかし、国とはあるきっかけで、ある日忽然となくなるものなのです。
私がヨーロッパに行った1999年、ユーゴスラビアという国は確かにそこにありました。
数年後にそれがなくなるとは、当時の私は全く思いませんでした。国が無くなるなんてあり得ない・・・ソ連崩壊をリアルタイムで見ていた人間なのに、まだ思考が追いついてなかったのでしょう。


特にクロアチアセルビアは、ある歴史的経緯があり、かなり仲が悪いことで有名です。海外、とくに欧州では、世界的に仲が悪い国は?という質問をすれば、真っ先にこの二カ国が浮かぶ人が多いそうです。

時は第二次世界大戦の時。ナチス・ドイツは米英仏やソ連だけでなく、南ヨーロッパにも侵攻していました。
旧ユーゴのクロアチアセルビアも同様で、当時の「ユーゴスラビア王国」は解体され、親ドイツの傀儡政権が誕生します。
その新政権の中心はクロアチア人。対してそれに従わない旧王国派はセルビア人が中心でした。

その傀儡政権と親ナチスクロアチア人団体は、セルビア人を虐殺し続けました。

 

じきにチトーを中心としたレジスタンス運動でユーゴは自力でドイツを追い出すことができました。ナチスの傀儡政権も同時に崩壊しました。
ユーゴスラビアは他の社会主義国と比べて、ソ連の顔色を伺うことがない独自の路線を歩んでいましたが、その理由は「自力でドイツをやっつけた」という矜持から。平たく言うとソ連に借りがない」のです。

 

そして時代は冷戦からその崩壊へ。

セルビアボスニア・ヘルツェゴヴィナ独立の際、クロアチア系やムスリム人(イスラム教徒)を、
民族浄化」という名目で大殺戮を行い、世界中から避難を浴びました。国際司法裁判所でも裁かれました。
が、セルビア人に言わせるとこうです。

「50年前の仕返しをしているだけ。我々が裁かれるなら、50年前のクロアチア人の大殺戮も同罪じゃねーか!」

しかし、昔はみんな仲良く暮らしていたのに何故?という疑問も浮かびます。
極端でもなく、昨日までふつうに挨拶していた隣人から無視され、次の日には石を投げられ、その次の日には銃を持って襲撃された。こんな人がごまんといたのです。
国を誇りに思うナショナリズムは悪いことではありません。しかし、コントロールできない感情的ナショナリズムは排他的感情を生み、昨日までの隣人を平気で殺すんだなと。
私が、まだ内戦の傷跡やNATO軍の空爆の跡が残ったユーゴ各国を歩いた感想です。

 

 

 

ハンガリールーマニア

 

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元々同じ社会主義国でしたが、冷戦時代ハンガリーユーゴスラビアと並び言論の自由はある程度保証されており、ニュースでも自国を客観的視点で批判したりと、比較的公平ということで有名でした。ハンガリーの社会ドキュメンタリー番組は、社会主義時代の方がレベルが高かったという人もいます。

 

その真逆がルーマニア。 

ルーマニアにはニコライ・チャウシェスクという独裁者が君臨しており、法律で「当局の許可なく外国人との接触禁止」とお触れがある半鎖国国家でした。北朝鮮がヨーロッパにあったと思えばいいでしょう。事実、チャウシェスク北朝鮮の独裁システムを参考にしたのだから。

もちろん報道の自由などはなく、テレビ放送自体節電という名目で1日2時間だけでした。そのうち1時間40分はチャウシェスクを称える番組だったと言うから、目も当てられません。

1日数時間しかやらない上に、見ててもつまらないルーマニア国民は、スピルオーバーするユーゴやハンガリーソ連のテレビを見ていたんだとか。

ルーマニアテレビ電波スピルオーバー

このように、ルーマニアには隣国のテレビ電波がかなり広範囲に入っていたので、少し背の高いアンテナがあればすぐ受信できたそうな。

特にティミショアラという都市は、ハンガリーユーゴスラビア(当時)に近いためどちらの電波も受信でき、ルーマニア人は自国のテレビも含め各国のニュースの見比べをしていました。

 

ルーマニアの民族は、ルーマニア人が約9割と圧倒的多数ですが、ハンガリー系住民も7%ほど住んでいます。その多くが、ティミショアラに集まっています。
ルーマニアチャウシェスク政権時から少数民族に対する扱いは冷たく、民族意識が強いハンガリーはそれに反感を持っていました。
ハンガリーのマスコミは、チャウシェスク大統領の天敵だったルーマニアの元国王の単独インタビューまで放送して煽り、怒ったルーマニアハンガリー人の入国を禁止したほどでした。


最後は、ハンガリー系住民の弾圧ドキュメンタリーをつくり、
「これ以上ハンガリー系をいじめると、革命起きて政権が崩壊するぞ」
と強い口調で警告を発しました。

その5日後、ティミショアラで反政府暴動が起き、それがきっかけでチャウシェスク政権が崩壊、大統領が処刑されるという「ルーマニア革命」が起こりました。

偶然にしてはタイミング良すぎではないかと、今でもルーマニア革命はハンガリーも一枚噛んでるという説が、ルーマニア国内を中心に消えません。私も個人的には、タイミング良すぎだろうとは思っているのですが、如何せん証拠がないので。

 

 

ロシアとリトアニア

 

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この二カ国、今は直接国境を接してはいませんが、「元ソ連」つながりで紹介しておきます。

 

リトアニアバルト三国の国の一つで、旧ソ連を構成していた国の一つです。

「命のビザ」で有名な日本の外交官、杉原千畝氏の縁もあってか、国土と人口の割には知日派が多い国であります。

 

この二カ国は仲が悪いというより、ソ連崩壊でリトアニアが、

「やれやれ、やっとDV夫から離婚できるわ」

とさっさと独立し、EUやNATOに加盟。DV夫から完全に距離を置いている、という感じです。

リトアニアにとっては、EUは駆け込み寺、NATOは用心棒か警察かのような立場になっています。

 

同じバルト三国でも、エストニアラトビアに比べてリトアニアがスムーズに「離婚」できたのは、国民の民族構成が影響しています。

労働者という名目で、ソ連時代にロシア系がたくさん流入したのですが、エストニアラトビアのロシア系比率が3割から5割。彼らを無視して政策が行えないできない存在に対して、リトアニアは5%くらい。

リトアニアリトアニア人が人口の9割と圧倒的多数を占めていて、数%のロシア系に有無を言わせない状態です。「嫌なら出て行けば?」、以上。

昔ロシア系リトアニア人のメル友がいましたが、リトアニアに住んでいる自体針のむしろだそうで、お金を溜めてイギリスあたりに出ていく(同時にリトアニア国籍も捨てる)と言っていました。

 

リトアニア人の反ロシア感情もかなりキツい。

私がリトアニアに行った時、当時あまり英語が通じなかったのでならロシア語で、旧ソ連だったし崩壊から10年経ってないからロシア語わかるだろう・・・とロシア語を離した途端、すさまじい罵声を浴びました。

たぶんリトアニア語だったので、当然何を言われているのかわからなかったですが、相手は非常に怒って私を口汚く罵っている、という空気は読めました。

周りの人が彼をなだめつつ、英語を話せる女子大生を呼んできて解説してもらったのですが、

リトアニアでロシア語話さない方がいいわよ。みんなソ連時代にひどい目に遭ってるから、ロシアは、ロシア語はもうみんなこりごりなの」

エストニアラトビアでは全く問題がなかったので、リトアニアも同じだろうと安易に考えていた私の無知でした。

後で知ったことですが、リトアニアソ連から独立した際、バルト三国の中で唯一血を流した国でした。ソ連軍が介入し住民に発砲したのです。その血がまだ乾いていない時期に行っただけに、リトアニア人のロシアに対する恨みは相当なものでした。

 

ロシアとウクライナ

少し前に、「世界番付」という番組がありました。

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外国人を集めてあれこれ語ってもらうという、日本人が大好きなジャンルの番組でしたが、ロシア人とウクライナ人、ちょくちょくケンカしてましたね。お互い気が強そうだった上に席も隣だったし。おそらくお隣(の国)同士だから…という配置だったかもしれませんが、あれはケンカしろ(番組的に面白いから)って番組が煽ってる席順じゃないか(笑

ロシア人とウクライナ人の、スーパーを超えたハイパーな犬猿の仲を知ってる私はそう感じたりします。

 

ロシア人とウクライナ人の仲の悪さは世界的にも有名で、ヨーロッパのテレビ局ではロシア人とウクライナ人を同席させるなが常識のようです。必ずケンカになるから。

 

 ロシアのモスクワから、フィンランドヘルシンキまで列車で向かっていた時、
日本人が珍しかったのか隣の寝台の男性に酒に誘われました。
ウォッカを片手に飲めない酒を飲んでいたのですが、唐突に彼が聞いてきました。
「ロシアは良かったか?」
私が正直にベリーグッドだと答えると、彼の顔つきが険悪そうに変わり、
親指を下にして、

 

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こんな感じでご不満そう。

話を聞くと彼はウクライナ人だったのですが、ロシアは大嫌いのご様子でした。
ロシアを少しでも褒めようならご不満、ベタ褒めだったら・・・どうなってたのでしょうね。

最後は、ただでさえ酒が飲めないのにウォッカをしこたま飲まされた挙句、列車の廊下で力尽きていたそうです。

 

ちなみに、「ウクライナ」を英語で” Ukraine"と書くのですが、発音は「ユークレイン」。「ウクライナ」のかけらもないし、「ユークレイン」の方がなんだか響きがかっこういい。

英語で「うくらいな!」と言ってもたぶんわからないし、「ユークレイン」と相手が言ってたら、ウクライナのこと言ってるんだなと覚えておきましょう。

 

 

インドとパキスタン

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この二カ国の仲の悪さも、世界的には有名です。

が、政府間は仲が悪いけれど国民どうしの仲は全然良好という、「仲悪い」の定石から外れたケースです。(ふつうはこの逆)

 

parupuntenobu.hatenablog.jp

 

上の記事で書きましたが、インドとパキスタンは人間関係で言えば「分かれたカップル」のようなもの。元カレ元カノの関係です。元とは言え昔は一心同体のカップルだったので、心ではつながっているという感じでしょうかね。

 

この「元カップル」の険悪の原因、その半分は中国が絡んでいます。

インドと中国も、

・領土問題を抱えている

チベットダライ・ラマ法王などを匿っている

・インドの衛星国ブータンに中国がちょっかいを出し、領土を徐々に侵食している

・中国がスリランカを金で籠絡しインド洋に進出しようとして、インド海軍が怒っている

 

などの問題で対立しています。特に下の2つはここ直近の問題。
インドやブータンが最近日本に近づいているのも、対中国対策の一つです。

 

対してパキスタンは、正直なところ軍事的には中国の属国に等しい状態です。
中国にとっては対インド封じ込め対策の一貫。ネパールやスリランカと共に、パキスタン城も既に陥落しております。

パキスタンも、インドの軍事的脅威は怖い。特に核を持っているのでこちらも核を。
そんな理由で中国や北朝鮮という「悪魔」と契約し、軍事的バランスを保とうとしています。
つまり、核をエサに中国はインドとパキスタンの対立を狙い、あわよくば漁夫の利を得ようとしているわけです。
春秋戦国時代三国志を地でゆくような、まことに中国らしい戦略だなーと思わず拍手してしまいます。

 

インドもパキスタンも、そんな中国の思惑をわかっちゃいるのですが、
もうどちらも核抜きでは軍事バランスを保てない。
そこで、どこか「差別化」を図ろうと、インドは日本やアメリカ(日本が仲介人)、パキスタンは中国にどっぷりハマってゆくというわけです。

 

 

タイとミャンマー

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微笑みの国タイ。人はそう呼びます。

ミャンマーも敬虔な仏教徒が多い国。
同じ仏教の国どうし、微笑みを浮かべていたら怒りや恨みは感じない・・・と思いきや、それが笑顔で済まされない事情が存在します。


タイとミャンマーは隣同士とはいえ、特に濃密に接したことなさそうと思いますが、それは「現代」でのこと。
現代で隣同士なのに冷たい関係なのは、過去にそれだけのことがあったということです。

 

隣どうしの宿命で、タイとミャンマーは昔から領土争いでドンパチを繰り返していました。
仲が決定的になったのは、日本人の山田長政も活躍したタイのアユタヤ王朝が、約250年前(1766年)にビルマ王朝に滅ぼされた事件でした。
その時ミャンマーは仏像をことごとく壊し、敬虔な仏教徒のタイ人の怒りを買いました。

のちにタイの方がアユタヤを取り戻したものの、あまりの荒廃ぶりに立て直しを諦め、バンコクに都を移したという歴史的経緯があります。

 

タイのアユタヤ王朝の歴史については、以下のブログが詳しいです。

私も本記事を書く際参考にしました。

reki.hatenablog.com


ミャンマーの方は忘れているようですが、タイ人は歴史の授業でも習うようで、タイ人のミャンマー人の嫌いっぷりは、タイ在住の人によるとハンパではないようです。

 

また、タイはミャンマーの反対隣のカンボジアとも仲が悪いのです。
2003年に、タイの女優が
アンコールワットはタイのもの」
カンボジア人はアンコールワットをタイに返すべき」
などと発言し、それに怒ったカンボジア人がタイ大使館を焼き討ち。それに対しタイは、

「ほう、大使館焼き討ちとはいい根性だ。ならば戦争だ」

と国境を封鎖。軍を国境に集結させ戦争寸前の事態にまで陥りました。

 

彼女の発言はメディアの捏造、「フェイクニュース」ということが途中で判明しました。しかしそれでも収まらなかったのは、そもそもタイ人とカンボジア人が仲悪く、下水道にたまった険悪というメタンガスに火が付いただけだと。

結局この騒動は、ASEAN各国が仲裁に入りカンボジア政府が平謝り。かろうじて戦争までには至りませんでした。

 

 

イギリスとフランス

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この二カ国も世界的に超有名な犬猿の仲ですけど、トルコvsギリシャ、ロシアvsウクライナのようなガチ中のガチではなく、「喧嘩するほど仲が良い」という夫婦か母娘のような関係ですね。どちらかというと、『笑点大喜利のメンバー罵倒ネタのような、ユーモアや微笑ましさを感じさせます。またお前らじゃれてるのかと。

 

あるEUの会議で、フランス人がいつものようにイギリス人を罵倒し始めました。

「敢えて言おう、イギリス人などカスであると!」

と言ったかどうかは知りませんが、仏代表がヒートアップしたところで、黙って聞いていたイギリス代表がひと言。

「我らイギリス人のご先祖はフランス人なのだから仕方ないですよね」

これはイングランドの歴史がわからないと理解できないジョークですが、国の代表レベルであればそれくらいの歴史知識は全員承知。

英国代表がクールに放ったブラックジョークに会場は大爆笑。フランス代表は赤っ恥をかいたという実話です。

現代英語を人間にたとえると、育ての親はフランス語。イギリスとフランスは離れたくても離れられない関係だけに、可愛さ余って憎さ百倍なのかもしれません。

でもこの二カ国は、仲が良くなる時もあります。その法則が発動する条件とは!

「共通の敵がドイツの時」

フランスとドイツの仲の悪さは、度々戦争していることもあり有名ですが、イギリスもドイツ人はあまり好いていない模様です。理由は「横柄」「傲慢」「冷たい」。イギリス人よ、お前ら人のことが言えた柄かよとツッコミを入れたいのですが、同じ理由でフランスも「嫌い」というデータが出ています。 しかし、ドイツは「信用できる」国にも挙げられたので、フランスよりは評価が高いということか。

欧州で面白いのは、EU各国はみんな自国を「EUでいちばん謙虚で思いやりに満ち溢れた国」と思っているところ。唯一の例外が、イタリアがスペインを指したことくらい。他は全員「自分(国)」だったそうな。こんな国の集まりがよく「ヨーロッパ連合」なんて構成できるなと思うのは、私だけでしょうか。

 

ちなみに、イギリス人はこの歴史をコンプレックスに感じているから、そこをいじくるとイギリス人が痛がる。どんどん突いて鼻を折ってやれ!

と言ったのは、現副総理兼財務大臣麻生太郎さんです。民主党政権時代にニコニコ生放送で聞いてたのですが、体験談がなかなかリアルでした。この人、本当に外交交渉でイギリス人をいじめてるなと(笑

 

 

モンゴルと中国

 

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地政学上では中国と仲良くせざるを得ないモンゴルですが、モンゴルの反中感情は我々の予想以上です。日本人の「嫌中」なんて、幼稚園児の「お前の母ちゃんでーべーそー」のレベル。

 

中国とモンゴルの歴史的因縁は、モンゴル帝国元王朝)の因縁もありますが、本格的に始まったのは19世紀のこと。中国人商人がゴビ砂漠を越え、ロシアとの交易のためにモンゴルを中継地点にしたのが始まりです。

19世紀の清の時代、モンゴルに渡った中国人はモンゴルの真ん中に「買売城」(商売町)という名前の、交易中継基地を作ります。この「買売城」は町並みも完全に中国風でした。

そこで中国人は「相当アコギなこと」をしたらしく、モンゴル人の中国人に対する怨みの根っこはそこにあります。

 

しかし、中国の清王朝が滅び中華民国へ、ロシアも革命でソ連となり、モンゴルはどちらかへの側に付くことを余儀なくされます。

モンゴルは「人民共和国」として、世界で二番目の社会主義国となりましたが、これは別に社会主義が好きだとかソ連が好きというわけではありません。

中国に従うかロシアに従うかの究極の二択を迫られたモンゴルは、

「中国と一緒なんて絶対絶対絶対絶対絶対ごめんだ!」

という消極的選択で「ソ連」「社会主義」を選んだだけです。事実、ソ連社会主義がどん詰まりになると、世界で最も早く社会主義を捨てた国の一つになりました。モンゴルの手のひら返しは脱兎のごとく激速でしたが、社会主義もよっぽど嫌だったのでしょう。

 

社会主義国となったモンゴルがまず何をしたか。

なんと、中国風の建物が並んでいた「買売城」を、チベット寺院一つだけ残してすべて更地にし、そこに新たにロシア風の建物を建てイチ、いやゼロから街を作り直しました。それが今のモンゴルの首都ウランバートルです。

中国色を跡形もなく消す・・・それだけでもモンゴル人の中国人に対する感情を垣間見ることができます。

今回はサラッとしか書きません。モンゴルだけで5000文字くらいは書けるので。

機会があれば後日別記事で書こうと思います。

 

 

外務省が出している海外の安全情報の「モンゴル」で、こんなことが書かれています。

www2.anzen.mofa.go.jp

 

1.歴史的背景から中国人に対するモンゴル人一般の潜在的な感情には複雑なものがあります。街頭で日本人が中国人と間違えられ,モンゴル人に殴られる事件等のトラブルが時折発生しています。

 

正直なところ、外務省もやっと「比較的ストレート」に書き出したかと。数年前までは奥歯に物が挟まったような書き方で至って不明瞭、読んでいる方も不明瞭になった文章だったので。

「歴史的背景」とは、私が上に書いた19世紀以降の事情のこと。実際はもっとドロドロしていますが。

外務省の代わりに上の文言をストレートに書くと、

「モンゴル人は中国人大嫌いだから、中国人と間違えられたら無傷じゃ日本に帰れないよ」

ということです。

私本人いろいろ「えらい目」に遭いましたわ。それも「時折」じゃなかったぞ(汗)

 

ちなみに、確かアメリカ国務省の安全情報でも、

「モンゴル人は中国人のことめちゃ嫌ってるから、アジア系アメリカ人はくれぐれも気をつけてね」

とストレートに書いていた記憶があります。

 

モンゴル人の中国嫌いはいかほどかというと。

まずは、公の場での漢字禁止。「漢字=中国語」というイメージがあるため、漢字を見ると強い拒否反応を起こすそうです。

私が仕事でモンゴルに着き、日本大使館とJICAの在住者に言われた事が、

「モンゴルでは中国語は絶対にしゃべらないで下さい!」

 はい、外務省公認です。それも駐モンゴル大使直々のご注意です。

 

その話を聞いて意識してウランバートルの街を歩いていると、確かに中国語の文字が全くない。
中華料理屋はあるのですが、よ~~く見ると英語でごくごく小さく"Chinese restaurant"と書かれていたり、店に入ってメニューを見せられ、そこで初めて中華料理屋だと気づくほどのピリピリムードです。

ネットによると、「世界でチャイナタウンがないのは韓国のソウルだけ」とまことしやかに言われています。
しかし、それはウソ。少なくても「嫌韓派」の視野狭窄ですね。

なぜならば、ウランバートルにもないから。
あそこでチャイナタウンなんざ作ろうものなら生命の危険との戦い。たぶん、すぐモンゴル人に襲撃されて壊滅させられまっせ。


上の事情の極めつけはこれ↓

 

ウランバートルのモンゴル・日本センター

JICAが作った「モンゴル日本センター」です。
私が行った時はたまたま日本語検定の受験受付初日でした。センター内は日本語勉強中のモンゴル人全員集合のような雰囲気。こんなに(日本語)勉強している人がいたのか!とビックリしました。モンゴルはガチの親日国でした。

しかし、思い切り漢字を書いていますが、同じ「漢字」なのに日本語なら何も問題ないのです。
モンゴル人の通訳さんをちょっと煽ってみました。
「これも漢字なんだけどいいの?漢字はそもそも中国語だよ?モンゴル人怒らないの?」
答えはこう。
「日本語だからおk  d(^^)」

以上、非常にわかりやすい返答でした。

 

他を挙げれば、「その2」が作れるほどのネタの多さです。何せお隣さんは基本的にみんな仲が悪いから(笑

日本のマスコミは「隣と仲良くしない日本が悪い」的な報道をしますが、世界の隣国はみな仲が悪いを知っている人にとっては噴飯ものの幻想。日本と中国・韓国の仲の悪さなど、世界の犬猿の仲と比べたらかわいいものです。

 

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