昭和考古学とブログエッセイの旅へ

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日本人の中国語読み

日本人の中国語読み

 

日本では、中国人の名前は、たとえば「習近平」を「しゅうきんぺい」と日本語で読みます。
中国語読みは「シーチンピン」なのですが、

 

「中国の『シーチンピン』国家主席は・・・」

 

とニュースで流れても、誰もピンとは来ないでしょう。なんだか麻雀用語みたいで、後に「ドラ2で満貫」と付け加えたい気分。
やっぱり「しゅうきんぺい」が落ち着く。

 

韓国人の名前は、昔は「金日成」を「きんにっせい」、「朴正熙」を「ぼくせいき」と日本語読みで呼んでいましたが、今は「キムイルソン」「パクチョンヒ」ですね。
韓国人は日本人の名前をそのまま読みます。「田中将大」は「タナカマサヒロ」となり、漢字の韓国語読みで「チョン(田) ジュン(中) ジャン(将) デ(大)」とは言いません。
というか誰やねんそれというほど、「タナカマサヒロ」の面影のかけらすらない。

韓国人の名前は韓国語読みするのは、韓国人が日本人の名前を日本語読みしているのだから、日本側もそれに合わせて韓国語名で呼ぼう、という理由だと言われています。

 

中国人は日本人の名前をどう読んでいるのか。答えは簡単。我々とは逆に中国語の漢字の発音のまま呼んでいます。
安倍晋三」なら「アーペイチンサン」なわけで、漢字宗主国たるプライドがそこに表れている気がします。

なので、日本側も向こうが気を遣わないから、こちらも相手に気を遣う必要なしと、「しゅうきんぺい」などと日本語読みしているわけです。


台湾や香港は今に始まったことではないですが、日本の芸能情報がネットで一瞬で世界中に伝わる昨今。
特に中華圏において、日本の芸能人の知名度もけっこう高くなっています。
そこで困るのが、日本人の名前を中国語読みすることですね。


いつも拝見させて頂いている、台湾好きtaitaiさんの記事

 

taitaitaiwan.hatenablog.com

 

では、浜崎あゆみを例に取っています。

浜崎も、一時期はそれはそれはすごい人気でした。ってか、今何してんやろ?


それはさておき、ここでちょっとした疑問が出てきませんか?

浜崎あゆみ」は、下の名前がひらがなになっています。当然、中国語に仮名文字はありません。
さて、これを中国語にする時はどうするの?

 


なんのことはない。

 

「あゆみ」を漢字にすればいいだけ。

 


彼女の場合、「あゆみ」は「歩」に変換。「濱崎歩」となり「ピンチープー」となります。

 

同じ例はいくらでもあります。
宮沢りえは「宮沢理恵」となり、石原さとみは「石原聰美(里美)」となり、綾瀬はるかは「綾瀨遙」となる。
向こうの勝手な都合で適当に漢字を当てはめています。綾瀬はるかの「はるか」と「遙」に何か因果関係があるのか。答え。なんの関係もありません。彼女らの許可を取っているわけもない。

 

変わっていたのは、女優のともさかりえ
彼女は中華圏では「坂本恵理」とか、そんな名前でそこそこ有名だったのですが、
なんで「さかもとえり」なの?と疑問だった時期があります。もしかして彼女の本名かと思ったのですが、調べてみると本名は「ともさかりえ」。なんのこっちゃと思ったことがあります。

それもこの「坂本恵理」、数ある「勝手に漢字つけます」ネームの中で唯一の本人公認なんだそうです。

 

以前の会社の同僚に「ちひろ」という名前の女性がいたのですが、彼女も中国語で自分の名前をどう処理するのか、考えあぐねていました。
そこで私は、
千尋
「千紘」
「千裕」
などいくつか候補と中国語読みを挙げ、フィーリングで好きなのを選んでちょーだいと。
そんな適当でいいの!?と驚く彼女。そうです。そんな適当でいいんです。

 

中国人・・・というか、元々香港人から始まったのですが、「ジャッキー・チェン」とか「マイケル・チャン」のように、英語名をつける中華系の人が多いですよね。
これを「英名」(イングリッシュネーム)と言うのですが、この選び方も適当すぎてもう。

あ、これはまた今度別記事で。ええネタ見つけた(笑)

 

日本人の名前の中国語読み、私の思い出の中でいくつか、印象に残っているものがあります。

 

 

「フーシャンヤーツー」

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中国に留学していた頃のお話。


広東省では、全域で香港のテレビを難なく見ることができます。
香港でしか流されないはずのテレビ番組が、電波が漏れたという形で、本来なら放送区域外でも視聴が出来る。
これを専門用語で「スピル・オーバー」と言います。

=Wikipedia先生より=
スピルオーバー(spill-over=余剰・余波)とはテレビやラジオにおいて、
行政が放送免許で設定した放送対象地域外まで放送局が放送電波を必要以上に送出してしまうことを指す。

 

香港のテレビが垂れ流しなので、中国広東省の人間は中国のテレビなんて誰も見てないでしょうな。少なくても私の周りでは誰も見ていない。


香港のテレビの良いところは、さすが国際都市だけあって世界中のドラマやドキュメンタリー等を放送しているところ。
それも、偏ることなく比較的公平です。返還前はダライ・ラマ特集や、台湾総統選挙速報などふつうにやってましたからね。

 

中でも鉄板だったのが日本のアニメとドラマ。
今でこそ「クールジャパン」だの「海外で人気の日本」だの言われていますが、海外から客観的に見ると、そんなもの小規模なら20年以上前からあったっちゅーねんと。
それが爆発的に広まったのは確かにネット、特にようつべなどの動画サイトが普及してからですが、20年以上前には既にその「芽」は出ていたのです。

 

ドラゴンボールちびまる子ちゃんクレヨンしんちゃんなどは普通に放送していたのですが、当時人気だったのは『ひとつ屋根の下』というドラマ。
江口洋介や、当時中華圏では絶大な人気だったのりピーこと酒井法子が出演していたドラマで、当時大人気だったので覚えているアラフォー以上の方も多いと思います。


香港では現地の日本人向けの「日本時間(Japanese hour)」という特別な1時間枠がありました。
日本のテレビ局と組み、クーリエ便でVTRが運ばれてくるのですが、広東語(か英語)吹き替えのアニメと比べ、日本語のまま放送(中国語&英語字幕)されていたのが、現地在住日本人にとっては神の声に聞こえたものです。

Japanese hourの時間になると、日本人は全員家で待機。時間帯は私語厳禁、ドアの前には面会謝絶の看板が。訪問したら殺すと(笑

それほど貴重な1時間でした。

 

『ひとつ屋根の下』には、もう一人、今でも大人気の俳優・・・いや、歌手か?という人が出演していました。
「フーシャンヤーツー」と言う人だったのですが、彼のイケメンぶりには中国女子もテンションMAXの大興奮。
フーシャン、フーシャンとまことにうるさい。
私は今も昔も、芸能界には非常に疎い。というか興味がない。「フーシャンヤーツー」なる人物なんて全く知らない。
日本ではどうやら有名らしいのですが・・・。


「『フーシャンヤーツー』って誰よ?」
中国女子に聞いてみました。
彼女らは全員、えーーー信じられなぁーーい!!なんで日本人が知らないの???バッカじゃなーーい??という表情。完全にアホバカ扱い。
四の五の言わずにJapanese hourの『ひとつ屋根の下』を見ろということなのですが、見ても出てこない。
どうやら毎週欠かさず出ていたわけではないよう。


2週か3週目でやっと出てきてくれたのですが、ふーん、俺の方がイケメンやん!
・・・と中国女子に言うと、

「アイヤー!やっぱあなた日本鬼子よね!ww」

と罵られてしまいました(笑) 
あ、この「日本鬼子」は、当時の私が万年反抗期の奇人変人だったことから着けられた冗談なので、目くじらを立てることなきよう。


「フーシャンヤーツー」なる人物は一体誰なのか。

 

 

 

 

福山雅治は台湾や香港で大人気!

福山雅治のことでした。彼の漢字を中国語で読むと、「フーシャンヤーツー」なのです。
私が彼を知ったのは、22年前のこのエピソードがきっかけだったのです。

 

福山は今でも中華圏で絶大な人気を誇っていますが、その「芽」は既にこの時から生えていたのです。
今にして思えば、その「芽」の頃を現地で見ていたのだなーと。もちろん、リアルタイムにはそんなこと感じません。


関係ないですが、日本人の「歌手」が中国語を話すとけっこう上手い。
酒井法子も、中国語においては負けを認めない私が無条件降伏したほどの上手さでした。
覚せい剤なんてやらんと、実務経験さえ積めば中国語の通訳・翻訳で食っていけたのではないか、実にもったいない。
GACKTもかなり上手かったですが、実は福山雅治もなかなか。といっても数フレーズしか話せないようですが。

 

 

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中国語には発音の他に、「声調」という音の上がり下がりが存在します。
中国語だけでなく、「シナ・チベット語族」という括りの言語、タイ語ベトナム語などにも存在するのですが、中国語は発音より声調が命。発音がいくらネイティブ並みでも、声調を間違えればすべてがダメ。
逆に発音がメチャクチャでも、声調が合っていればとりあえず通じます。おそらく、親戚のタイ語チベット語も同じのはず。

 

これについてはまた日を追って書こうと思いますが、声調は音楽の楽譜のようなものなので、日本人歌手はそこをみんな外さない。
プロの歌手になると、絶対音感を持っていてなんぼの世界だと思うのですが、中国語の声調も絶対音感の世界と言えばそうかもしれない。

 

ふとしたことで、2015年に台湾公演を行った宝塚歌劇団花組の中国語の挨拶を聞いていたのですが、組長さんと、男役トップの明日海りおさんはやはり声調を外していない。文句なしの100点満点です。
発音はまあ上手いとは言い切れないのですが(ってもわかるので許容範囲内)、語学のプロじゃないのだから通じりゃOK。
「なんでもできる宝塚」だからって、そこは無茶言いなさんな。実際、ファンにはちゃんと通じているからOK牧場なのだ。
さすがは宝塚、やっぱし声調は外さんなーと感心しました。

 

のりピーにしろ福山にしろ、明日海りおにしろ、歌でメシ食ってる人は外さない。ホントに外さない。
俳優はけっこう声調メチャクチャが多いのに比べると、一目瞭然ならぬ一聞瞭然。
みんな並み以上の音感を持っている上に、声調を理屈ではなく耳から覚えるのでしょうね。

逆に、声調ズレてたら音痴ってこと。プロが声調ズレてたらとんだ赤っ恥です(笑)

 

「アープークァン」

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今の事情は知りませんが、20年前の台湾の北京語の先生は皆、大陸から渡ってきた「外省人」で占められていました。
ほぼ独占産業だったんじゃないですかね。
その中で、私が習っていた先生は根っからの台湾人家系。台湾語はネイティブだし、おばあちゃんはガチの日本語世代。
朝の連続テレビ小説NHK大河ドラマを、畳の上で正座して見ていたんだとか。
本人も「北京語の先生は、特に台北外省人ばっかりだから、珍しいと思うわ」と言ってました。

その先生は、ある俳優にゾッコンでした。
「アープークァン」という俳優がテレビで出ようものなら、次の日は非常にご機嫌がよろしい。
なんというか、気がピンク色というか、ハートの形というか。
授業中の例文作成で「アープークァン」の出して彼女のハートに火をつけてからかうお遊びも、クラスでは流行っていました(笑)

あまりに「アープークァン」とうるさいので、ある日私が、

 

「もー『アープークァン』うるさいわ!

 

そんなに好きなら結婚せい!ww」

と。

「ええええ!!」

彼女は少し間をおいた後、

 

「あなた『アープークァン』と知り合い?

 

よかったら紹介して!!」

 

先生はシラフになるどころか、完全に目がキラキラしておりました。目が本気(マジ)でした。

瞳孔開いてる、これは手の施しようがあらへんわ・・・(汗)

 

先生がお熱だったその「アープークァン」とは誰か。

 

 

 

 

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阿部寛でした。

それから20年経ちますが、いまだに「アープークァン」が頭に染み付いて離れません。
阿部寛をどうしても「アープークァン」と言ってしまう癖が、今でも残っています。だって、「あべひろし」より「アープークァン」の方が言いやすいんだもん。
数年前、JKだった姪につい「アープークァン」を使ってしまい、
「それ誰???ってか何???」
とめちゃ突っ込まれたことがありました(笑)


「自動」な話

ちょっと趣旨が違うのですが、書いているうちに思い出した話なので、ちょっとした小咄として。

宇多田ヒカルが香港でも流行っていた頃、その余波が中国広東省にも広がっておりました。
彼女のある歌が流行していたのですが、CDアルバムの裏に書いてある歌のタイトルには、

「自動」

と書かれていました。

「自動!!!???」

日本人全員困惑。

自動ってなんや~~~!!ということは、歌を聞いていくうちに理解できました。


sun will shine It's automatic
側にいるだけで
その目に見つめられるだけで
ドキドキ止まらない
Noとは言えない
I just can't help It's automatic
抱きしめられると
君と paradise にいるみたい
キラキラまぶしくて
目をつぶるとすぐ
I feel so good It's automatic

サビを聞いて全員、

「なんや~~~!!」

と総ズッコケ。

そう、automaticという歌をそのまま翻訳したら「自動」になっただけなのです。

「自動」って・・・そのままやん!!

あまりにそのまますぎて、現地在住日本人にはバカウケでした。

 

 

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