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アジア初!台湾が同性婚容認へ 【新聞記事で時事中国語を勉強しよう】

headlines.yahoo.co.jp

 

台湾の司法院大法官会議は、同性どうしの結婚を認めない現行民法違憲であると判断、2年以内の法律の修正を指示したとのことです。

まだ「法律を改正せよ」と大法官会議が表明しただけなので、まだ認められたわけではありません。

しかし、蔡英文総統も同性婚への支持を表明しており、法律が改正されることは必至。事実上アジア初の同性婚が認められることとなりました。

 

台湾のニュースでも、この記事が軒並みトップになっています。

 

自由時報

news.ltn.com.tw

 

蘋果日報Apple daily)

www.appledaily.com.tw

 

日本語の記事ではサラリと概要を伝えているだけですが、中国語メディアだと司法院が違憲と判断したまでの経緯も書かれています。

 

1980年代より、台北市には同性どうしの結婚を認めて欲しいという嘆願が出ていたのですが、台北市はそれを拒否し続けていました。

同性婚賛成派が結婚を認めるよう、台北市を相手に裁判を起こしたのですが、いったんは敗訴となります。

しかし、少し考えるべきではないかという声が出始め、合憲か違憲かを判断する司法院大法官会議の審査にかけられたとのことです。

 

台湾(中華民国)の民法によると、第4編第2章の「結婚規定」という項目に、

「結婚は男女がするものである」

との規定があり、同性が結婚してはならないということは書いていないものの、不文律でダメということになっておりました。

それが「中華民国憲法」第7条の「国民平等」、22条の「結婚の自由」に反するので、民法の規定を変えるべきとの判断となりました。

 

こちらのサイトで、今回の大法官解釈の日本語訳があるので、転載します。

 

同性婚を認めたとしても、異性婚を前提としてきた社会秩序が変わってしまうわけではない。むしろ、婚姻の自由を同性カップルにも広げることで、社会の安定が強化されるであろう。同性愛者であれ異性愛者であれ、愛する人と肉体的にも精神的にも一緒にいたいと思う気持ちやその必要性は変わらない。婚姻は人間の尊厳を擁護し、健全な個性を育むために重要である。

 

我が国(台湾)においては、同性愛者は社会から否定されてきた。それゆえ、彼らは社会から隔離され、孤立し、事実上および法律上の差別に苦しめられてきた。また、社会の偏見により、彼らが民主的な方法で法的な不利益を改めることも困難であった。


民法の婚姻規定は、子どもを産むことを前提条件とはしていない。婚姻した一方が子どもを作れないからといって婚姻が無効になることもなく、離婚の理由にもならない。子どもを産むことが婚姻の基本的な要素であるとは全く言えない。ゆえに、自然な妊娠によって子どもを授かることができない同性カップルについても、そのことを理由に婚姻を認めないことは、合理性を欠く。


同性婚が認められても、同性カップルは異性カップルと同様、婚姻中も離婚後も権利と義務を負うのであり、社会の基本的倫理は不変である。社会的倫理に影響することを理由に同性婚を認めない、つまり同性カップルの人たちに異なる扱いを認めることは、全く合理性を欠き、憲法の定める平等の原理に反するものである。」

 

 私は同性婚の是非うんぬんを語る資格はないし、そのつもりもありませんが、同性愛者にとっては隣の国の動きながら喜べる事ではないでしょうか。

 

 

 

ここで、新聞記事からいくつか時事中国語を拾ってきました。

 

同志 

「同志」は読んで字のままの意味もあります。

私が中国で中国語を勉強した頃の中国語テキストは、まだ

「同志,你好」

から始まっていました。さすがに今は変わっていると思いますが・・・。

当時は何の疑いもなく習っていましたが、いちばん最初に習う単語だったのに、二十数年間一度たりとも使ったことはありません(笑

 

この「同志」、もう一つの意味があります。

それは「同性愛者」という意味。私が留学していた頃から存在していた隠語だったので、意外にその歴史は古いのです。しかし、ペーパーベースの辞書にその意味が載っていない。そろそろ載せた方がいいんじゃない?と思うのですが、作る側が偉い先生方なのでね。

今は共産主義的な「同志」より、「同性愛者」という意味として覚えておく方が良いと思います。

 

「同志」と呼んでいた頃など知らない今の中国の若者に、

「同志、你好」

を使うととんだ誤解が生まれるかも知れませんね。

 

 

大法官

台湾は「三権分立」ならぬ「五権分立」です。正しくは「五院分立」といい、

「行政院(内閣)」

「立法院(議会)」

「司法院(司法)」

「考試院(公務員試験管理機関)」

「監察院(公務員の目付)」

の5つに分かれています。

裁判所にあたるのが「司法院」ですが、日本の裁判所と比べて「行政機関」としての色合いが強いのが特徴です。

日本の最高裁判所にあたるが「最高法院」ですが、その中でも憲法判断(合憲か違憲か)などを行う裁判官を、「大法官」と言います。日本には現在ないですが(日本維新の会が設置を求めています)、海外の憲法裁判所にあたります。

 

 

「大法官」の任期は4人で、定員は基本的に8名で構成されます。

日本の最高裁判事と違うところは、任期が過ぎたら再選されず、メンバーが入れ替えとなることです。

「大法官」の資格は、

  1. 10年以上、最高法院法官を務めた者で、かつ優秀なもの。

  2. 9年以上、立法委員を務めた者で、かつ特別な貢献を果たしたもの。

  3. 10年以上、大学の主要な法律科目を担当し、専門著作がある者。

  4. 国際司法裁判所裁判官の経験者、もしくは公法学や比較法学の権威である者。

とされています。「大法官」のほとんどは、アメリカや日本・ドイツで基礎法学を学んだ人だそうです。

 

台湾の司法は地方裁判所で法解釈が難しい憲法に関わる問題の場合、二審を飛ばすことがあります。日本では絶対にあり得ないですが、今回の同性愛者の憲法判断は、台北地方裁判所が審理をいったん停止し、憲法解釈を「大法官」に投げた結果です。

 

 

リアルなニュースを見ながら生きた時事中国語を勉強するのも、中国語の勉強になって面白いと思います。

こういうのは、何より記事を書いている自分自身が頭を整理しながら書いているので、書いている方も勉強になったりします。いちおうこっちの方が本職なので。

中国語を勉強している人のために少しでも役立てるために、こっそり自分も勉強します(笑

中国語は漢字なので、中国語がわからなくても漢字だけで楽しめることもあるので、好評なら次回以降もやってみようと思います。

 

 

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