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昭和考古学とブログエッセイの旅へ

昭和の遺物を訪ねて考察する、『昭和考古学』の世界へようこそ

曹家湾-重慶地下鉄のとんだ秘境駅

まずは、この写真をご覧下さい。

 

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何かのジオラマかCGかと思うでしょ。というか、そもそもこれは何!?と。

 

 

2ちゃんねるまとめサイトで、中国のこんな駅が話題になっていました。

 

blog.livedoor.jp

 

駅の構内は、

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至ってふつうの地下鉄の駅なのですが、外に出てみると・・・

 

 

 

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一体どこに駅作っとんねん!!(x_x)ヾ(-_-;)

 

中国らしいと言えばまことに中国らしい。

まるで戦隊ものの悪の手先の秘密基地。

 

中国のサイトでも有名なようで、

 

「中国で最もミステリアスな駅」

 

「中国の秘境駅

 

と皮肉も交えてあちこちで話題になっています。

 

 

日本語には、ここは「重慶の地下鉄」ということだけしか情報がないですが、中国のサイトを調べて更に深く掘ってきました。

こういう時、メシの種の中国語が妙な形で役に立つ。

 

ここは一体どこかと調べてみると、重慶地下鉄6号線の「曹家湾」(ツァオチアーワン)という駅。2015年10月26日に開業した、新しい駅です。

 

ここで不思議なのは、一体なんでこんなところに駅が出来たのかということ。

そもそも、路線の6号線自体は2013年に開通しているのですが、何故わざわざこんなところに駅を作ったのか。

 

とりあえず場所を文明の利器、Google mapで調べるか・・・

しかし、出ないんです(笑

 

 

parupuntenobu.hatenablog.jp

上の記事でサラッと書いたのですが、Googleは中国から「追放」されています。なので、Googleって中国の情報にはけっこう弱い。

その証拠に、Google mapで中国の場所を検索してみると、何故か位置がズレるのです。中国に邪魔されてるのか何かわかりませんが、中国だけはGoogle mapは全く・・・とは言いませんが、あまり役に立ちません。少なくても、旅行する時に現地で場所を検索する時には使わない方が良さそうです。

 

中国の地図を見る時は、ここより「百度」(バイトゥー)という「中国Google」の地図、百度地図」を見た方が正確です。「中国版Google map」といったとこでしょう。

map.baidu.com

 

この「百度地図」を使って、この「秘境駅」を検索してみました。

 

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重慶市の中心部から、北へだいたい16~7kmの位置にあります。市の郊外ですね。

 

駅周辺を拡大してみましょう。

 

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これだけを見ると、とても写真にあるような「秘境駅」とは思えません。

私が中国にいた時に住んでいた所の方が、よっぽど「秘境」です。

 

そこで、観(み)方を変えてみましょう。こうなります。

 

 

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町どころか、集落どころか、家すら一軒もありません。

ホンマどこに駅作っとるんやろか。

 

上の写真だけでも衝撃的ですが、動画で見たらもっと衝撃的です。

 

www.youtube.com

 

動画内に出てくる住民の声(翻訳:BEのぶ)

「開通してもう1~2年経つけど、ずっとこんな(草ぼうぼうの)感じだよ」

-駅の近くに人は住んでいないのですか?

「人っ子一人いないさ。あたしみたいなしがない農民がいるだけさ」

-荒れてますね(汗)

「ああ、そうさね」

 

駅の職員もいるようですが、この駅を使う乗客はほぼゼロだそうです。

 

画像左にある、既存や建設中のニュータウンに駅を作れば需要が見込めると思うのに、よりによって全く何もない所に駅を作るその意図は一体・・・。

 

そこで原点に戻りましょう。何故こんなところに駅が出来たのか?

既に路線が開通して、住宅地が出来て沿線住民からの希望で駅が作られる。これが日本、というか世界的な流れのはず。

 

しかしそこは中国、発想が逆なのです(笑

 

日本統治時代の台湾人エリートのテンプレ的存在である作家の邱永漢氏は、中国人を「根っからの商人気質」と表現しています。

日本人は良い製品をより良いものにし、付加価値をかけることを「やりがい」と感じる傾向にありますが、中国人は全く違います。

製品を1円でも高く売りつけることに「やりがい」を感じる。

それだけなら大阪人もそうですが、中国人はそこに「製品の良し悪し」は関係なし。製品が不良品だろうが、作物に毒が入ってようが、「高く売ったもの勝ち」。

 

中国人と日本人の気質の違いをひと言で言えと聞かれれば、

 

「日本人は職人気質」

 

「中国人は商人気質」

 

と答えておけば、まあ間違いない。

 

そして、中国人のもう一つの気質が「ギャンブル好き」

中国人はヒマさえあればギャンブルしている、というくらい博打好き。私もよく中国人と現生山積みにして賭けマージャンしてましたし(笑

それはどうやら紀元前までさかのぼるようで、孔子もそれについて言及しています。

その気質が「投機好き」を生み出しています。つまり「一攫千金」「濡れ手で粟」タイプということ

 

これ、私が言ってるんじゃありません、邱永漢氏が言ってるんです(笑

邱氏の著書の一つに、『中国人と日本人』というものがありますが、日本人と中国人の気質の違いを、そのハーフ的存在である台湾人が日本語でズバリと書いており、知る人ぞ知る名著です。

「中国人とは何者ぞや」を漠然と知りたければ、この本一冊読めばいいというくらい、サラッと中国人気質をえぐり取っています。「元日本人」ながら日本人が書いたものではないというのも、ちょっとした個性を醸し出しています。

 

 

中国のニュースサイトを見てみても、何故こんなとんでもない所に駅が出来たのかまでは深く追求していません。

しかし、「投機好き」の中国人気質を理解すると、この駅も投機目的だなと理解できます。

ここにおそらくマンションなどのニュータウンが作られると見越した重慶市が、

「ならさっさと駅作っちゃえ!」

と作っちゃったのかもしれません。

 

しかし、そんなものが出来る気配は、地元住民・・・いや、駅の隣の畑を耕す農民によると「全くない」ようですが。

 

なぜこんなところに駅を作ったのか。重慶市が意図する本当の理由は、重慶市の偉い人のみ知るというところか。

 

まあ、日本も人のことは言えません。

新幹線の新横浜駅が、

 

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開業前はこんな感じだったですから(笑

 

また、まとめサイトの書き込みの中に、

「舞岡駅に似てる」

というものもありました。

どこだろうと調べてみると、横浜市にある地下鉄の駅のよう。

 

 

なんや、ただの住宅地やんと思って、航空写真ビューに変えると、

 

 

おお、なんだか住宅地の真ん中に、要塞のように「農村」が。地元住民の方には失礼ですが、なんだか薄気味悪い感を抱かせます。

ここは、横浜市が自然の風景をできるだけ残すよう、市街地化調整区域にしているようです。だから「不自然に自然が残っている」んですね。

 

でも、これでもやっぱり曹家湾駅のインパクトにはかなわない。向こうは「ガチ」なのだから。

 

一時期日本でも話題になった中国のゴーストタウンを「鬼城」と言いますが、曹家湾駅は今はさしずめ「鬼站」、ゴーストステーションと名付けた方が良さそうです。

鬼」:中国語では「オバケ」「幽霊」のこと

「站」:駅のこと

 

この駅が作られたのは超先行投資か、それとも中国を代表する「鬼站」としてOINC(Only In China)のテンプレに載るのか。はたまた観光地として斜め上の注目を浴びるのか(ネット上では既に浴びてるけど)。

それは20年後、30年後くらいにならないとわからない。こちらは生暖かく見守るのみです(笑

 

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