昭和考古学とブログエッセイの旅へ

昭和の遺物を訪ねて考察する、『昭和考古学』の世界へようこそ

五毛党と噴青-中国人留学生卒業スピーチに見える、中国の歪んだ愛国心

中国人のスピーチに対する批判

 

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今日、何気にYahooの今日のニュースを見ていると、こういう記事が目に入りました。

 

headlines.yahoo.co.jp

 

楊さんという中国人が大学でスピーチをした際、

中国で育った後に米国に来たことは「清新な空気」を吸うようなものだったと述べたのを皮切りに、「空港の外で息を吸って吐いた時、自由を感じた」「空気はとても甘くて清新で、本当にぜいたくだった」などと語り、悪名高い中国の大気汚染や、同じく息苦しいほどの政治的発言に対する抑圧と比較するような言葉を並べた。

そうで、スピーチがアップされたYoutubeの動画に批判が殺到しているというニュースでした。

 

中国在住を長年経験した人間に言わせたら、

「空港の外で息を吸って吐いた時、自由を感じた」

「空気はとても甘くて清新で、本当にぜいたくだった」

なるほど、その通りだと思うのですが、その何が気に食わないのかと(笑

 

 

 

二つの勢力

 

このニュースには、中国に巣食う二つの勢力が絡んでいると私は見ます。

 

1.共産党に「注射」された勢力

 

中国に住んだ経験がある人であれば、このニュース記事や私の本文にある違和感を感じるはずです。

 

「あれ?中国でYoutubeって見れないんじゃないの?」

 

そうなんです。中国ではYoutubeは見れません。私も中国在住時や出張時は「禁ようつべ」生活を余儀なくされていましたから、これは身にしみて体験済みです。

ちなみに、FacebookTwitterGoogleやそれ関連サイト(Gmailなど)、一部ブログサイト(FC2など)も見れません。LINEもダメです。

 

中国のネットは「ネット長城」と自称しているファイアーウォールがあり、当局に都合が悪いサイトは見れないことになっています。

それにも抜け穴があるにはあるのですが、抜け穴も見つけ次第塞がれ、さらに最近は相当強化されているので、おいそれとは見れません。

中国で抜け穴を使ってネットしていると、ある時部屋をノックする音が聞こえる。ドアを開けると目の前には公安が。そのまま連行され、それ以後彼の姿を見た者はいない・・・

となりかねません。外国人は大丈夫だって?甘い甘い。我々のような雑魚が一人二人消えても、中国も日本もビクとも動きません。日本政府がワーワー言っても、中国は「目下調査中につき(以下略」と空返事しておけばいいわけなので。

中国、我々が想像する以上に深き闇があるのです。

 

それはさておき、見れないYoutubeに何ゆえ中国人がコメントできるのでしょうか?

同じことは、台湾のサイトや掲示板に反日コメントを書き込む中国人も同じです。ウソかマコトか、プロフィール欄にご丁寧に「北京」「上海市」などと書き込んでる輩も。彼らの書き込みが常に簡体字なのと、中国独特の表現を使うので中国人とわかるのですが、そもそも.twドメインのサイトは中国からはすべてシャットアウトされているはずなんですがね。なにゆえ彼らは台湾のサイトに書き込めるの?

 

海外在住の中国人が海外から書き込んでいるという考え方もできます。

しかし、批判コメントをしている全員が全員海外在住・・・というのも無理があります。中国人数多しといっても、金儲けに忙しい在外中国人が、何の他愛もないようつべの動画に一斉に批判コメントを書き込む。

そう、まるで誰かが号令しているかのようにね。

 

「五毛党」

政府の指示のもと、世界中のネット掲示板に書き込みをする「ネットサポーター」のような存在が、中国にいたりします。

 

彼らを「五毛党」(ウーマオタン)と言います。

英語で50 Cent Partyと言いますが、英語の方が妙なコミカルさを醸し出しています。

 

書き込み1件あたり「五毛」(0.5元。約0.8円)の報酬がもらえる(と言われている)ことから、彼らに批判的な人間が名付けた名称です。

五毛党の連中は、良くも悪くも中国政府(=共産党)に「注射」されているため、中国に批判的なコメントや動画などがあれば、数にものを言わせて大量書き込みを行います。

 

特に「五毛党」の存在が多いんは、SNSYoutube、アメリカや台湾や香港のサイトです。

ちょっとした風のウワサによると、「五毛党」も担当区域があるらしいです。

・アメリカ担当

・日本担当

・他中華圏(台湾・香港・シンガポールなど)担当

・ロシア担当

 などなど。

あくまでウワサなのですが、「ボス」が

「今日は日本の掲示板を『攻撃』せよ」

という命令が出ると、2ちゃん用語でいうホロン部が2ちゃんやYahoo掲示板などに大量発生するといった具合から、常駐監視して単発攻撃する連中まで様々だそうです。

 

「五毛党」は所詮バイトなので、金の切れ目が縁の切れ目という存在ではあります。

 しかし、中国人は小銭でも金にはうるさい上に、最近はネトゲのイベントのようなものを開催し、賞金まで出しているという話も聞いています。

 

2.『噴青』-歪んだ愛国心の持ち主

どこの国にも極右と極左がいるように、中国にもそういう人間は存在します。

日本でいう「ネトウヨ」もいっぱいいます。

彼らを中国語で『噴青』(フェンチン)と言います。

『噴青』とは「憤怒青年」の略で、元々は文化大革命で農村に強制移住(下放)させられた学生たちや、中国に対する香港の若者の怒りを表した言葉でした。

それがネット社会になり、いつの間にかネット上で「ネトウヨ」という意味で使われはじめました。

 

明らかな『噴青』第一号は、日本でも販売された

「ノーと言える中国」

という本を書いた中国人数人でしょうね。

この本自体根拠のないナショナリズム丸出し、出版するだけ紙の無駄という、『噴青』ならぬ『噴飯』ものの本でしたが、出版された当時はそれなりに売れました(笑

そこで、著者である『噴飯』ならぬ『噴青』が調子に乗り、とんでもない男にケンカを売ってしまいました。

『ノーと言える日本』を書いた石原慎太郎(当時東京都知事)です。

どこかの雑誌で対談を見たのですが、内容は議論にもならない石原氏の無双状態。野球で言えば完全試合を達成された彼らは、

「我々が正しいことは、いつか歴史が証明してくれる!」

と発言して終わり。

これ、中国人が敗北する時の常套句です(笑

吉本新喜劇のベタネタ、「今日はこのくらいにしたろか」のようなものですね。

 

彼らの特徴は、強い民族主義愛国主義です。

 

でも、これもおかしいのです。

中国人はそもそも愛国も民族もないのです。

中国人の世界観の射程距離は非常に短く、「宗族」という自分の家族・親戚が「世界」であり「国」であり、「民族」である。それが数億単位で点在する。これが伝統的かつ基本的な中国社会です。

 

これを中国の病気だと批判し、近代的にならないといけないと命を張って説いたのが、孫文であり魯迅でした。彼らは海外から自国を客観的に見る機会を得たのでそれが見えたのですが、ふつうの中国人には見えません。

中国共産党も、元々は「宗族」という狭い世界を否定することから始まったのですが、それを打破することはできませんでした。「人民公社」というものを作って無理やり破壊したこともありましたが、生んだのは中国が社会ごと壊れてしまった結果だけでした。

 

中国で「愛国」だの「民族」だの言われ始めたのは、1990年代でした。具体的に言えば、1989年の天安門事件の後です。

 

天安門事件での民主化要求は、結果的には失敗に終わりました。

しかし、共産党は人民は共産党を支持していないという現実を突きつけられることとなりました。そして、長年行ってきた「愛(共産)党教育」が失敗に終わったことも。

 

そこで考えたのが「愛国」というキーワードでした。

共産党を全面に出すと必ず反発が出るので、「愛国」とオブラートに包む。共産党が政権を握っている間は「愛国=愛党」という理屈が成り立つので、矛盾はしていない。

そうだ!これにしよう!

共産党幹部の頭の上がピコーンとした光景が目に浮かびます。

 

しかし、「愛国=愛党」にならなければならないし、そもそも中国には「愛国」が「自然界」に存在しません。

自然にない以上、「人工的」に作らないといけなくなる。

それをブロイラーの如く急速育成されたのが、中国の「愛国」なのです。

 

中国の「愛国」はMade in Chinaではなく、Made in 共産党です。

共産党の管理にある「愛国」は、共産党が作った人工物な上に、共産党の都合の悪いことはシャットアウト、都合の良いものは誇張します。「愛国」は歴史が必ず絡むので、孔子は誇張され、「中華民族」の名の下ジンギスカンが「中国人」にされてしまう。Made in 共産党の「愛国」は必ず「敵」が設定されないといけないので、日本という絶好のいじめられ役を設定する。

そうすると、歪んだ「愛国」が植え付けられます。

結果、歪んだ愛国心を持った連中が、歪んだ歴史観・政治観を持って世界中のネット社会で暴れまくる。

 

この歪んだ愛国心ガンダムに例えると、自然に発生する民族主義愛国心が「ニュータイプ」なら、中国の愛国心は「強化人間」なんです。

ガンダムでも強化人間って、無理やり能力を人工培養されたり記憶を刷り込まれたりして、性格が何かしら歪んでるでしょ?それと同じと思って結構です。

私はガンダムが好き(ただし、宇宙世紀ものに限る)なので今でもよく見るのですが、強化人間を見る度に歪んだ愛国心という記憶を刷り込まれた『噴青』を、どうしても思い浮かべてしまうのです。

 

その『噴青』も、なんだかんだで中国共産党の管理下にあります。

中国で「反日暴動」がエスカレートしていた頃、中国の掲示板でも『噴青』が大暴れしていました。少しでも日本や日本人を庇うコメントをすれば、大量にその人物を叩く。

「一人を複数人で叩く」

というのも中国人の常套手段です。中国人のやり口として頭に入れておいた方がいいです。

 

鎌倉時代の「元寇」の話を聞いたモンゴル人が、

「あれはモンゴル人じゃない!中国人だ!」

と言ったことがあります。ナンノコッチャ!?と思ったのですが、聞いてみると・・・

元寇の時、一騎打ちが主流の鎌倉武士たちに、モンゴル軍が集団で襲いかかったというエピソードのことなのですが、モンゴルには

「汚く生きるより清く死ね」

ということわざが昔からあり、司馬遼太郎もモンゴルのエッセイで流用しています。日馬富士も以前テレビで言ってたので、かなり有名なのでしょう。

日本の武道の「汚く勝つより綺麗に負けろ」に通じる言葉なのですが、そのモンゴル人いわく、

「武士が一人で戦おうとしているのに、集団で襲うなんて僕ら(モンゴル人)は絶対やらない!そんなの英雄じゃない!(なので)こんなことをやるのは中国人だ」

彼の考えは直情的ですが、一理以上はあります。一対一を否定したら、モンゴル相撲も一人を集団で叩けば「勝ち」になる。

なるほど、元寇は再考の余地ありやなと思ったのですが、如何せん昭和史で手一杯なので・・・。

 

話が脱線しました。

中国の掲示板で大暴れで勢いづく『噴青』たちですが、ある日を境にピタリと書き込みが止み、散発的になります。そのコメントもなんだか骨抜き。

なんでだろ?と思ったのですが、どうやら政府がやりすぎ命令を出したみたいで、一斉におとなしくなったということでした。

 

中国ネット工作員の手口

「五毛党」「噴青」のいちばん怖いところは、数にものを言わせる人海戦術を採ること。

 

台湾での八田與一像の損壊事件を覚えている方は、まだ多いと思います。

 

parupuntenobu.hatenablog.jp

 

この時も、台湾に中国のネット工作員が大量に乱入し、台湾の掲示板という掲示板やFBが「反日」に染まりました。とにかく書き込みの量は圧倒的でした。

台湾人も応戦するのですが、所詮数の暴力には勝てません。応戦コメなど「数の暴力」に埋め尽くされてしまいました。

 

そういう状況をニュースか何かで知った(らしい)、台湾に興味がない知人がいわく。

「台湾って親日っていうけれど、なんだ反日なんじゃん!」

 

彼女は二つのことがわかっていません。

一つは、これが中国のネット戦略だということ。

 

台湾で「反日」を書き込む連中は、簡体字を使っていることから、台湾人はもちろん中国語がわかる日本人だって簡単に識別できます。

しかし、中国語の知識が不足していたり、「人は悪いことはしない。中国人もそう」というお花畑のお人好しは、そもそもわかりません。だから中国人の書き込む「反日コメ」も全部台湾人に見えてしまうのです。

彼女が思う「台湾は親日ではなく反日」は、まさしく中国の思う壺。麻雀ならば、四暗刻単騎をリーチ一発ツモでダブル役満、というような感覚でしょうか。

これは、『三十六計』という策略の兵法書でいう指桑罵槐にあたるかなと。

どういうことかというと、中国人が台湾のSNSなどで書き込む「反日コメ」は台湾人に向けてではなく、無知でお人好しな日本人に向けたコメントという考えもあるということです。

そんなバカな!と思うのは、自分が中国に対して無知ですと言っているようなもの。

A(台湾)を叩いているようで、実は本当のターゲットはB(日本)だというやり口は、中国にとっては朝飯前。ほんの挨拶代わり程度です。

特にコロリと騙される日本人は、中国人に言わせれば「赤子の手をひねるより容易(たやす)い」のです。

 

もう一つは、自分で自分を洗脳しているということ。

お人好しの日本人は、相手の言うことは「本当」という前提で話を聞き、物事を判断します。

よって、「情報の裏を取らない」という欠点があります。

ネットの情報だって、Wikipediaでも見当違いや明らかなウソがあったりします。

私も先日、

parupuntenobu.hatenablog.jp

 

Wikipedia情報の「ウソ」に騙されましたから(笑

(どこが「ウソ」かは本文をどうぞ)

 

うっかりミスなど、過失のウソならまだいいのですが、ネットには確信犯的な「ウソ」を流す輩もいます。

しかし、いちばんタチが悪いのは、「ウソ」を本当と思い込み「ウソ」を拡散する人。

悪意がないのはわかっていますが、悪意がない分、いちばん質が悪いのです。

何故かと言うと、人は間違いをなかなか訂正できない生き物です。間違いを認めることができません。

自分で間違いと思っていても、認めたくがない、自分が騙されていたと思いたくないがために、「ウソ」を本当と思い込みそれを拡散する。

自分で自分を洗脳しているというわけなのです。

 

上の知人も、

「台湾は親日というけれど、反日の書き込みが多いらしいね。本当は反日じゃないの?」

という投げかけであれば、私もなんちゃって専門家として答えます。

しかし、ハナから「反日」と決めつけているので、自分で自分を洗脳しているという状態になります。彼女の中で「結論」が固まっているので、私が何を言っても馬耳東風。それにいちばん気づかないのが本人だというのが、この悲劇です。

 

 

中国のネット締め付けが厳しくなっていることも事実ですが、その一方、一方的かつ偏ったな知識を注入され、歪んだ世界観を持つ「噴青」や「五毛党」が、フリーパスで世界中のネットを我が物顔で歩く。まるで「我らが中国なり」と言っているように。

ネットでは中国経済が危ないやら、習近平はアホだとかいう情報ばかり流れ、そればかり聞いて油断している人も絶対に多いはずです。

しかし、中国、そんなヤワではありませんよ。あれも「中国製フェイクニュースじゃないか」と訝しんでしまいます。いろいろあってこれ以上は言えませんが、私が言いたいのはこのひと言です。

信じるも信じないも、あなたの勉強と見方次第。

 

  

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