昭和考古学とブログエッセイの旅へ

昭和の遺物を訪ねて考察する、『昭和考古学』の世界へようこそ

あなたの知らない旅券の世界 前編

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先週ですが、無事パスポートをGETしました。

 

申請してきた時の様子は、下の記事からどうぞ。

parupuntenobu.hatenablog.jp

 

宣言どおり、赤の10年ものです。今までずっと紺の5年ものばかりだったので、パスポートが赤い!というだけで違和感もあり、また初めてパスポートを取った新鮮感も味わえました。しかし、赤はまだ馴れぬ。なんだかニセモノをつかまされた感じ。

そして、パスポートを取ったら飛行機の予約。これがいちばん肝腎なのにすっかり忘れてました(笑

 

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台湾行きチケット予約も完了!

パスポート取得前からチケット代が¥3500も上がっていたのが気に食わなかったけれど、こうなったら背に腹は代えられぬ。¥3500は授業料(≒ブログネタ料)と思ってプラスに受け取ろう。

というわけで、8月9日に台湾へ出発します。

当日に台風が来ないことを祈ります。これだけはブログネタや~と喜べない(笑

 

今回は、せっかく久しぶりにパスポートを取得したので、

「パスポート無事取れました記念」

とパスポートのうんちくを。

 

 

 

パスポートの豆知識

 

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1.パスポートの語源

パスポートは英語でpassportと書きます。
pass(通る)+port(港)で港から陸にあがる際に必要な証明書、と一般的に言われています。
しかし、これはテストなら△。

その前に、重要な要素が足りないのです。

 

passportのportは、13世紀頃には「街の門」という意味でした。
これは古い時代にフランスから入ってきた外来語で、綴りは"porte"
英語に元々ある言葉では"gate" "gateway"ですが、この"porte"は英語として定着することはなく、死語となっているようです。


昔の欧州の町は、周りを城壁で囲んだ城塞都市が主流でした。
その城壁には門があり、関所として人の出入りをチェックしていました。
公用で移動する役人などが持っていた「その門(porte)を抜ける(pass)ための証明書」がパスポートの始まり。西洋版「この紋所が目に入らぬか!」です。

しかし、数百年後に"porte"と同じ語源のラテン語"portus"という単語がイギリスに入ってきました。
これはフランス語やスペイン語、イタリア語のport / puerto / porto の語源で、意味は「港」。
英語には”harbour”という単語もあったのですが、"port"も生き残り現在でもどちらも使われています。

Passportは”Pass + Port"には変わりないのですが、"port"は港のportではなく、そのご先祖の"porte"が元だったということ。

 

こんな例は、英語の歴史ではけっこうあります。英語にはフランス語がふんだんに入っているという事実が、英語学習に抜けているのです。

 

13世紀頃、amateur(愛する人という仏語が英語に入ってきました。しかし、定着することなくそのまま自然消滅。
しかしその500年後の18世紀に、再びamateurがフランスより輸入されます。
が、既にLoveが定着していたのでamateurに居場所がなく、「~好きな人」「愛好家」と、少し意味をずらせて英語に定着します。
それが、我々もふつうに使っている「アマチュア(英語ではamateurと仏語そのままの綴り)です。

 

英語の語源は調べるとかなり面白いので、英語をもう一度勉強したい!という人は、
語源から入ってみると楽しくなる可能性がありますよ。

 

2.パスポートに表紙に入れないといけないもの

パスポートの表紙には、慣例として「国章」(国の紋章)を必ず入れないといけません。
「国章」がなければ、その国を象徴する何かを入れないといけない決まりになっています。

 

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日本は菊花紋章の十六一重表菊ですが、これは「紋章」ではなく、昔から使われていたからという理由で採用されています。

 

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大日本帝国時代のパスポートですが、十六一重表菊なのは昔から同じのようです。

 

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アメリカハクトウワシ
アメリカには国章が存在しませんが、これが事実上の国章扱いです。

 

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中国の国章は天安門五星紅旗

 

 

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北朝鮮は、ダム・白頭山・稲穂

 

 

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ロシアは双頭のワシ

 

 

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イギリスはライオンとユニコーン
ライオンはイングランドユニコーンスコットランドの象徴です。

 

 

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グアテマラは国章がないのか、なんだか苦し紛れっぽい。

 

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スイスは「国章?」の十字(「連邦十字」と言うらしい)が控えめに。
日本で出されたら、献血手帳か母子手帳に見えないこともない。

しかし、多言語国家だけあって、さりげなくドイツ語・仏語・イタリア語・ロマンシュ語(たぶん)・英語の5ヶ国語で「スイスパスポート」と書かれています。

 

他の国のパスポートは、Wikipedia(英語)にリストがあります。見ているだけでもけっこう飽きないですよ。

世界のパスポート表紙リスト

 

3.パスポート携帯義務がある国


国によっては、国内法で外国人はパスポートを常に携帯しないといけない国もあります。

たとえば、ブラジルとロシアがそうです。
ブラジルは、

外国人法第96条
「外国人は官憲あるいはその代行者の要求のある場合は、
国家領土内における適法の滞在を証明する書類(オリジナル)を提示しなければならない」

と規定されており、パスポート不携帯は犯罪です。

 

ロシアの場合は、パスポート&ビザで「一式」なので、どちらかが欠けてもアウトです。
ロシアも警察官が外でウヨウヨしている上に、中国人と間違えられることが多いです。ここだけの話・・・というほどでもないですが、ロシア警察は中国人を目の敵にしているので、アジア系と見ると職務質問を繰り返してきます。

今はないと思いたいですが、私がロシアに行った時は、警察官が表紙の「JAPAN」すら読めず。ロシアはキリールアルファベットなので、仕方ないっちゃ仕方ないけれど、ソ連崩壊から10年経っていなかった当時のロシア人の英語水準は、所詮こんなもん。


そのうえ、中国人と中国語で話していただけで、「中国人」と見なされ連行されそうになりました。その時にビザを見せた上で、
「ヤーイポーニツ!」(俺は日本人だ!)
を繰り返し、なんとか釈放された経験があります。

ロシアへ行く・・・こともないかもしれませんが、行くことがあれば、
「ヤーイポーニツ」(私は日本人だ)

(※念のため、複数形「私達は日本人だ」は、「ムゥィイポンツィ」となります)
「ヤーニキタエツ」(私は中国人じゃねー)
というフレーズは、パスポート&ビザ携行と共に覚えておいた方がいいです、かなりマジで。
少なくても、ロシア警察が「キタイ」(中国)って言い出したら、ビザを掲げて「ヤーイポーニツ」を連発した方がいいです。

私の経験では、中国人には「犯罪者予備軍」並の対応ですが、日本人とわかると何も危害を加えてきません。

 

他にタイやドイツなども義務になっておりますが、国によって義務でも温度差があります。しかし、昨今のテロなどで突然の職務質問もあり得り、その時に不携帯だとアウト。最低でもカラーコピーを持ち歩くようにしましょう。
(コピーOKでも白黒不可な国は実際にあるので)

 

外国人パスポート携帯義務がある意外な国があります。それは我らが日本
外国人短期在住者(観光客など)はパスポート携帯、中期以上の滞在者には「在留カード」という免許証のようなIDカード常備が必須です。


基準は入管法第23条。

(旅券又は許可書の携帯及び呈示)
第23条  本邦に在留する外国人は、常に旅券又は仮上陸許可書、乗員上陸許可書、緊急上陸許可書、遭難による上陸許可書若しくは一時庇護許可書を携帯していなければならない。(以下略)

2.前項の外国人は、入国審査官、入国警備官、警察官、海上保安官その他法務省令で定める国又は地方公共団体の職員が、その職務の執行に当り、同項の旅券又は許可書の呈示を求めたときは、これを呈示しなければならない。

3.(本文と関係ないので省略)

4.第1項本文の規定は、16歳に満たない外国人には適用しない。

 

日本人には全然関係ない事柄ですが、ホームステイや民泊などで外国人と接することが多くなる可能性があるので、これからは頭に入れて置いた方が無難です。


4.パスポート自由度ランキング

「パスポート自由度ランキング」とは、かんたんに言えば「そのパスポート所持者はノービザで何カ国行けるのか」というランキングです。
一カ国1点とし、その得点をランキングにしたものですが、最近データ(2016年1月)では以下の通り。

 

1位:177点-ドイツ
2位:176点-スウェーデン
3位:175点-フィンランド,フランス,イタリア,スペイン,イギリス
4位:174点-ベルギー,デンマーク,オランダ,アメリカ
5位:173点-オーストリア,日本,シンガポール

6位:172点-カナダ,アイルランド,韓国,ルクセンブルグ,ノルウェー,ポルトガル,スイス
8位:169点-オーストラリア
==================================================

21位:153点-ブラジル,ブルガリア,ルーマニア
22位:152点-アンドラ,アルゼンチン
28位:133点-メキシコ
48位:105点-ロシア
51位:102点-トルコ
54位:97点-南アフリカ
69位:69点-レソト,サウジアラビア
79位:58点-インドネシア,キルギスタン
85位:52点-インド,マリ,ウズベキスタン
87位:50点-カンボジア,中国

 

「神パスポート」と世界的に有名な日本のパスポートは、5位なんですね。
このランキングだけ見ると、8位までなら特に大きな差はないので「神」の範疇ですね。

 

パスポートの種類


一般旅券

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我々が窓口で申請して手に入れるパスポートは、正式名称を「一般旅券」と言います。

表紙が紺色の5年有効もの、の10年有効ものがあるのは説明不要ですが、表紙は一般旅券と同様のこんなパスポートがあるの、ご存知ですか?

 

執行猶予者パスポート

他には、「執行猶予中用パスポート」も存在します。
外見は5年用一般旅券と変わらないので、一般旅券のカテゴリーに入れていますが、「ふつうの人」と取得方法が少し違います。

 

<外務省HPから>
●こんな時、パスポートQ&A(平成26年3月14日)
Q23.申請書の刑罰等関係欄に該当(「はい」)がある場合、どのような書類を用意すればいいですか?
A.通常の一般旅券発給申請に必要な書類の他に、「渡航事情説明書」等をご用意願います。
通常の一般旅券発給申請に必要な書類の他に、各都道府県の申請窓口に備え付けの「渡航事情説明書」に所定事項をご記入の上、提出いただくとともに、刑罰等関係欄の項目に応じた書類(たとえば、執行猶予中の方は判決謄本1通)をあらかじめご用意ください。なお、渡航事情説明書の記入に関し、ご不明な点等がある場合には、各都道府県の申請窓口にお尋ね下さい。なお、海外にあっては最寄りの在外公館(日本大使館又は総領事館)の領事窓口にご照会ください。

Q24.刑罰等関係欄に該当(「はい」)がある場合、審査に時間がかかるのはなぜですか?
A.慎重な審査を行う必要があるため、時間がかかります。
刑罰等関係欄の各事項のいずれかに該当する方については、ご本人より提出していただいた関係書類に基づき、旅券の発給可否などにつき慎重に審査を行うため時間がかかります。

 

つまり、けっこうややこしいですよということです(笑

特に保護観察処分中であれば、保護司の許可が必要となります。無期懲役刑を食らうと満期で釈放でも死ぬまで保護観察の身なので、一生この特殊パスポートという理屈になります。

なお、パスポートは書類の不備がない限り発給却下や拒否はあり得ないですが、執行猶予中の方はお役所の判断で拒否・却下があり得ます。中には2ヶ月待たされて結果は却下、という人もいたそうな。

 

実は、この執行猶予中パスポートを見たことがあります。私本人ではないですよ(笑

中国留学中の後輩・・・といっても年齢は親子ほど離れてます、がこのパスポートでした。話を聞くと脱税で執行猶予付き有罪になっちゃったそうですが、パスポートの表面は5年ものと全く同じです。

しかし、中身を見ると、我々のパスポートは空欄の部分に、英語で延々と彼の罪状が。けっこういかつい文面でした。

さらに、発行元が「外務省」ではなく、「東京地方裁判所」でした。とんだ超レアものパスポートじゃないですか!と喜んでいる場合ではない。

さらにさらに、有効期限がなんと半年。半年ごとに裁判所に報告に行かないといけないそうで、そのたびにパスポート申請しなおしになるとか。

今は書類さえ揃えば窓口でも申請可ですが、見せてもらった当時は裁判所に書類を持っていき、裁判所が発行の可否を判断したと言ってた記憶があります。システムが変わったのかな!?

それにしても、執行猶予中なのに留学ビザを与える中国もある意味すごいわ。

 

執行猶予中にふつうにパスポートを申請すると、旅券法違反で執行猶予即取り消し即刑務所行き+旅券法違反の罪状追加となります。旅券法はけっこう罰則が重いので、本人や近親者に執行猶予中の人がいれば気をつけてあげましょう。これ、執行猶予中の当事者でも案外知らない人多いですよ。


公用旅券

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規定としては、国家公務員が仕事で行く際に使うパスポートです。
色はで、海外に行く度に発行されます。
「国家公務員」の範囲は文字そのままの人たちだけではなく、自衛隊員、衆参両院議員、JICA(国際交流基金)職員、海外青年協力隊員なども含まれます。
公用旅券を見せてもらったことがありますが、表紙が緑で「OFFICIAL PASSPORT」と書いている以外は、一般旅券と変わりません。

 

この公用旅券を持っているとすごい特権を・・・と思うでしょうが、実は一般旅券よりややこしい事態が起こります。
例えば、中国に行くとします。
一般旅券では中国はノービザで行けるのですが、公用旅券だとビザが必要です。
さらに「公用」なのでビザ申請だけでもすごい量の書類が必要だそうで、そのすさまじ煩雑さに、一般旅券で行った方がええわ!という嘆きがあちこちで起こるそうです。
かといってこっそり一般旅券で行くと、旅券法及び国家公務員法違反どころか外交問題になりかねないので、それもできません。
どこの誰とは言えないけれど、公用旅券で海外在住の人いわく、超うざい地雷旅券だそうです(笑)

 

外交旅券

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表にDIPLOMAT PASSPORTと書かれている通り、字面そのままの「外交官パスポート」です。
パスポートの中で唯一、個人では申請できないパスポートです。


大使館などに勤務する外交官もそうですが、最高裁判所裁判長や衆参両院の議長、総理大臣を含めた大臣級の閣僚、皇族も海外へ行く際はこのパスポートを使用します。

総理大臣の場合、公務の際は外交旅券、プライベートの旅行は一般旅券と、2種類のパスポートを使い分けます。


外交旅券取得中は外交官扱いとなり、不逮捕などの特権を得られます。

天皇皇后両陛下も外交旅券で・・・という話がネットでまことしやかに書かれていますが、国家元首として世界の(女)王、天皇、及びローマ教皇は慣習によりパスポートなしで行けます。


上に書いたように、このパスポートを持ち、かつ派遣国の承認(外交用語で「アグレマン」と言います)を得た人は、国際法の規定により以下の特権を得ることができます。

1.ノービザ特権

公用ビザ・外交ビザを持つ人は、一般旅券ならビザが必要な国をノービザで入ることができます。
ノービザで入ることができる国は、外務省のリンクをご覧ください。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/ca/fna/page22_002019.html

 

2.荷物検査免除特権

飛行機に乗る際、税関検査や搭乗の際の金属探知機チェックなどを受けない権限を持ちます。仮に荷物オープンになっても、拒否する権利を持ちます。

いやしくも外交官たるもの、怪しいものなど持っていないという紳士協定の延長ですが、北朝鮮外交官などは、偽札や金塊などを持って行っていると問題になっていますね。1987年にあった大韓航空機爆破事件も、北の外交官が外交官特権で爆弾を輸送したことがわかっていますし。

 

3.不逮捕特権

外交官パスポートを持つ人は、ウィーン条約という国際法によって特権が守られています。
その一つが、如何なる場合でも逮捕・身柄拘束されない「不逮捕特権」です。
人を殺しても、酒気帯び運転で人を轢き殺しても罰することはできません。駐車違反、スピード違反もやりたい放題です。
実際、モロッコかどこかの外交官が、日本で子供を轢き殺してトンズラしたことがありました。

 

国が外交官の犯罪に対してできることは、ペルソナ・ノン・グラータという退去命令だけです。
ペルソナ・ノン・グラータ」はラテン語で「好まざる人物」という意味で、
国は駐在している外国の外交官や、これから自国に赴任する外交官に対し、
「お前出て行け」「お前は来なくていい」
と拒否る権利です。これは無制限に行使可能で、理由も特に明示する必要はありません。理由も「お前うざい」でOK。

ペルソナ・ノン・グラータなんて滅多にないんじゃ・・・と思うでしょうが、日本だけでもけっこうあります。

実例1:アフリカの某大使館員が、賭博場として大使館を開放→賭博罪でペルソナ・ノン・グラータ

 

実例2:シリアのダマスカス駐在の日本大使がペルソナ・ノン・グラータ(国外退去)を食らったので、お返しに駐東京シリア大使をペルソナ・ノン・グラータ

 

実例3:インド大使館で、ビザ申請に来た日本人女性に対する強制わいせつ・強姦未遂で職員を期間猶予なしペルソナ・ノン・グラータ

 

実例4:東京の中国大使館に赴任予定の外交部職員が反日発言の常習犯なので、

「そんな奴日本に赴任させんじゃねーよ!人選やり直せ!」

ペルソナ・ノン・グラータ(赴任拒否)

 

実例5:戦前ですが、ユダヤ人に対する「命のビザ」で有名な外交官杉原千畝が、赴任予定のソ連から赴任拒否ペルソナ・ノン・グラータ

ソ連の海外在住ロシア人と親しいという理由ですが、人道主義杉原千畝の裏の顔ではない本当の顔は諜報専門外交官、つまりスパイ。ソ連は彼の諜報能力を恐れたからと言われています。

ノンキャリア外交官のペルソナ・ノン・グラータは日本外交史上前代未聞だったそうで、大使がソ連に直談判しても「あいつは絶対ダメ。ソ連の地は一歩も踏ませない」と言うので、仕方なしにリトアニアに向かったというのが、あの「命のビザ」への伏線です。

 
アメリカのオバマ政権も、去年12月くらいに大統領選挙の干渉を行ったという理由で、ロシア外交官35名を大量ペルソナ・ノン・グラータしています。
面白いペルソナ・ノン・グラータでは、NYの、ロシアかどこかの領事館勤務の外交官が、私用車の路駐の違反金滞納という理由で食らっています。

ペルソナ・ノン・グラータの理由は何でも良く、理由を提示する必要すらありません。
なので、海外のペルソナ・ノン・グラータ集を作れば、ブログネタどころか本になるかもしれません。

 

外交官全員が特権を持てるわけではない!

しかし、外交官全員がこの特権を得られるとは限りません

数年前、アメリカ・サンフランシスコでこんな事件がありました。

 

==日本人副領事、妻へのDVで逮捕==

米当局、日本の副領事を家庭内暴力などで起訴 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

 

在サンフランシスコ日本総領事館の長屋嘉明副領事(当時32)が、傷害罪で逮捕・起訴されたのです。

これについて、Twitterなどでは不逮捕特権に触れて

不当逮捕だ!」

「国は何やってる!抗議しろ!」

という声が多数でした。
外交官は逮捕されないはずじゃないの?と。

しかし、冷静に考えてみてください。北朝鮮じゃあるまいし、アメリカもそんなこと知らなくて逮捕しないわけがない。少なくとも、「何らかの理由、根拠があるに違いない」と思考を向けないといけない。

つぶやくのは勝手だけれども、そこを冷静に考えてツイートしろと。

 

実は外交官には二種類あるのです。いや、外交官ともう一つ、別のジャンルが。

「外交官」は確かにウィーン条約で身分が保証され、不逮捕特権を有します。
この「外交官」にはキャリアもノンキャリアも総理大臣も皇族も、皆平等の特権があります。

しかし、もう一つ「領事官」というものがあります。
「領事官」も「領事関係に関するウィーン条約」という別の法規があり、「ある程度」の身分は保証されています。
しかし、「ある程度」とは「公務の範囲にだけ及ぶもの」、夫婦ケンカのDVは「公務外」につき特権適用外につき国内法適用と、アメリカは判断したということです。

海外には「大使館」と「領事館」があり、それぞれ大使と領事がいますが、待遇は天と地ほど違うのです。


緊急旅券

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パスポートのICチップ化で出来た、比較的新しい種類のパスポートです。

 パスポートが盗難・紛失などで手元になかったり、有効期限切れだったり、かつ緊急帰国しなければならない場合、1年間のみ有効な「緊急旅券」を発行してくれます。

 

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以前は、上のような「渡航証」というものだったはずですが、ICチップ化で変わったようですね。
できればお世話になりたくないパスポートですが、いざお世話になることがあれば、
現地の大使館・領事館の指示に従ってください。
パスポートを無くすと非常にややこしい事になるので、失くさないに越したことはありません。

かく言う私も海外でパスポートを無くしたことがありますが、その時などの面倒くさい対応などは、後編で書いてみようと思います。

 

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