昭和考古学とブログエッセイの旅へ

昭和の遺物を訪ねて考察する、『昭和考古学』の世界へようこそ

2017年台湾の旅-台北のゲストハウスOxygen Hostel

台湾旅行の入り口の台北で今回、予約した宿がここでした。

 

台北のoxygenhostel(奥斯金旅店)

 

Taipei-oxygen-hostel
Oxygen Hostel(中国語名:奥斯金旅店)というところ。
旅行慣れしている人ならピンとくると思いますが、HotelではなくHostelです。
HotelとHostelは、元々「旅の客」という "hospes" というラテン語を親に持つ単語です。
親単語の形から"Hostel"の方が原形に近く単語として兄貴分なことがわかります。"Hotel"がフランスからイギリスに入ってきたのは17世紀のことだから、13世紀の文献に残っている"Hostel"の方が数百年分先輩格。それが時代の変遷で使い方が分かれ、Hostelは宿は宿でも安めの宿という意味として定着しました。
おそらく、若者向けの宿ユースホステルがそれに一役買ったのではないかと思います。


ちなみに、似たような綴りの「病院」ことhospitalも、Hotel & Hostelの兄弟です。Hospitalは16世紀くらいはHotelと同じ意味で使われていました。
日本で言えば安土桃山時代まで、いわゆる宿泊所はHostel、Hospital、Innが併用して使われていました。が、その後Hotelに追い出されたか、hospitalは兄弟と分かれ「病院」として別の生き様を歩むこととなりました。

外国語の世界では、言葉は生き物と申します。生き物である以上弱肉強食の世界から免れません。単語が生き残りのために意味を変えたり、ニュアンスを微妙にズラせたりすることは、英語に限らずすべての言語によくあることです。

 

 

 

 

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Oxygen Hostelは、台北市内の繁華街、重慶南路沿いにある安宿です。私はクセで「安宿」を使っていますが、今は「ゲストハウス」という言い方の方が通りやすいですね。
重慶南路は、日本統治時代からの本屋街として栄え、ネット時代前は台北で本を探すなら四の五の言わずに重慶南路へ行け、というほど本屋がひしめき合っていました。


ところが、20年ぶりに来てみると容貌が一変していました。
本屋はあるにはあるのですが、その数はめっきり減り、レストランや生活用品店などに変わっていました。
IT化でネット書店が増えたからなのか、それとも電子ブック化で紙ベースの本の需要が減ったからか、はたまた台湾も活字・本離れが進んだのか。
理由はわかりませんが、往年の重慶南路の本の匂いはかなり薄まっていたことだけは確かです。

その代わりに目立っていたのが、"Hostel"の看板。
重慶南路というより「重慶南路周辺」にそれが増えているのですが、今や重慶南路や台北駅前周辺地区は安宿街と変化を遂げているようです。

 

私がいた20年前の安宿は、台北駅の北側にありました。安宿といっても旅行者が泊まるようなHostelではなく、
裏路地で世を忍びこっそりと営業している、一昔前の「連れ込み宿」同然のものでしたが。もちろん、今は再開発で跡形もないでしょう。

Oxygen Hostelもその台北駅周辺ゲストハウス群」の一つで、ホテル予約サイトから偶然見つけただけですが、、
周辺の同じホステルとくらべて安いと思ったことは確実です。そうでも思わないと泊まらないから。

 

臺北奥斯金旅店

 

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繁華街の中心にある上に、1階ロビーはカフェ&バーになっているので、初めての場合は意識して見ないとわかりにくいかもしれません。私も地図を見ながら歩いていたのですが、一度通り過ぎてしまいました。

 

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チェックインは15:00から(チェックアウトは11:00)ですが、それまでに来てしまった場合無料で荷物を預かってくれます。
料金は前払いで、現金・クレカどちらでも可能です。

 

台北のゲストハウスoxygenhostelの階層図

Oxygen Hostalの配置は、2~3階が女性用、4階が男性用の部屋となっています。
女性用の方が階数1つ分多いということは、女性客の方が多いのかもしれません。

 

台北oxygen-hostel5階洗濯機


5階は共用スペースとなっており、NT$50で使える洗濯機もあります。台湾にはコインランドリーもありますが、宿の中の洗濯機は中~長期滞在者にはありがたい設備です。この宿の周りにはコインランドリーがない上に値段も良心的です。
さらにありがたいのは、洗濯したもののハンガーがないから干せない・・・ということがないこと。ちゃんと共用ハンガーも置いてあります。

 

oxygen-hostelのドミトリー


部屋はゲストハウスにはよくある多人数部屋、いわゆる「ドミトリー」です。
バックパッカーの世界では「ドミ」だなんて略してしまいますが、ここでは略さず「ドミトリー」とします。
他の部屋は知りませんが、私が泊まった部屋は8人部屋。まあドミトリーとしてはふつうです。

 

ドミトリーは「旅人専用部屋」と言っていいと思います。
部屋の住人は例外なく「旅人」です。仕事の出張で宿はドミトリーにするか!・・・なんて人は、まあいないでしょう。
同じ部屋に住む見知らぬ者どうしが自然と声をかけあい、だんだんと仲良くなっていく楽しみがあります。
ドミトリーはネットが普及する前、旅の情報ステーションでもありました。世界各地を旅しているスナフキンバガボンドが集まり・・・いや、そういう連中しか集まらないのだから、人も集まれば情報も集まるのは自然なこと。
旅の仲間どうしで情報収集をしたり、たまたま目的地が同じでパーティーを組んで旅をしたり、リアルでドラクエ気分が味わえます。
私は若い人、特に大学生によく言います。家でドラクエやってるなら、バックパック担いで「リアルドラクエ」やって海外でスライム叩いてこいやと。そして、それが必ずプライスレスの財産になるぞと。
ただし、ルーラは金がかかるし死んでもザオリクはないですが。

 

私が泊まっていた時は、日本は夏休みでも台湾は平常運転なので客は少かったですが、挨拶がてら同じ部屋の数人と話してみました。

一人は北海道の方で、台湾ははじめてながらかなり旅慣れている様子。ニセコ在住で冬でがっぽり一稼ぎして夏は自由気ままに旅をするリアルスナフキン。これぞバックパッカーの鑑。
今まで行った国の話をお互い話し、久しぶりのバックパッカー気分でした。

もう一人は台湾人ですが、珍しいなと思ったのは今から兵役に行く最中だという青年。
故郷の台湾中部の彰化という街から配属先まで移動中に、少し時間があるので台北を観光してみようとのことでした。

台湾では今でも徴兵制が敷かれており、満19歳以上の男性は4ヶ月の兵役の義務があります。
兵役にしては4ヶ月ってやけに短いな、徴兵ってふつう2年とかじゃね?と思ったのですが、調べてみると台湾の徴兵期間は時代と共にどんどん短くなり、2012年から今の4ヶ月になったようです。
陸海空のどこに配置されるかはくじ引きで決められるらしいですが、彼はくじ運が良かったか(?)台東の空軍で訓練を受けると言っていました。

最近の台湾の若者は、他の国の例に漏れず徴兵を嫌がる人もいますが、彼にはそんな悲壮感のようなものは微塵もありません。今から何が待っているのだろうという、未知の世界へ踏み出そうとするワクワク感さえ醸し出していました。
兵役がどういうものかは未体験なのでわかりませんが、4ヶ月ならちょっと長い修学旅行なのかもしれませんね。

 

彼と最初に挨拶した時、私は「早上好」という、おはようの中国バージョンを無意識に口に出していました。
台湾では「おはよう」は「早安」「早ロ阿」なので、
「あれ?こいつどこの人間だ?」
と頭の中が困惑したそうです。
早安」なのは頭じゃ全然わかってるんやけどな~。クセというのは怖いものです。
自分が日本人で、大陸(中国)で中国語勉強したからうんぬんを説明すると、あ~なるほどねと納得していました。
この挨拶の違い、中国人と台湾人の中国語の違いについては、以前ブログに書いたので興味があればどうぞ。

parupuntenobu.hatenablog.jp

 


Oxygen Hostelが素晴らしい8つの理由

1.生活に便利!


生活用品を売っている店が、Oxygen Hostelからパジャマどころか上半身裸で行ける距離に揃っています。

 

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Google Map上に書いてみるとこのとおり。
向かって右隣りが台湾独特の「自助餐」というセルフサービス食堂、左にはスタバ。裏側にはセブンイレブン。なんという素晴らしい環境か。
道路を渡ればすぐに、「摩斯漢堡」ことモスバーガーもある。しかし、台湾はモスバーガーめちゃ多いな。台北に限ればマクドより多いんじゃないか。

 

道路を隔てた向かい側には、

台湾台北の目薬本舗

「目薬本舗」という、日本色を全面に押し出したドラッグストアがあります。右側にモスバーガーがチラッと見えています。

 

 

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真正面には「金石堂書店」という書店もあります。
ここは重慶南路の他の書店と違い、1階には日本直輸入のファッション雑誌、2階に台湾史の専門コーナーがあるところに、他の書店との差別化がはかられています。
ローカルな本屋なので台湾史の書籍は全部中国語ですが、

 

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台北のカフェーと女給の歴史という、まことにマニアックな本も置いてあります。
「カフェー」とは大正末期~昭和初期の日本で一世を風靡した風俗営業の一種で、「女給」はそこで働く従業員のこと。コーヒーを飲む「カフェ」では決してありません。
台湾では若者を中心に、日本統治時代の歴史をもう一度洗い出そうというブームになっているそうですが、おそらく「台北カフェー史」もそのうちの一つかもしれません。
本家の日本でもカフェーや女給の研究者はそうそういないのに、ニッチな分野の研究をしている人もいるのだなと。
ネタがあまりにオンリーワンすぎたので、これ珍書と思わずご購入してしまいました。
じっくり読んで是非「昭和考古学」ネタにしたいところですが、素材のアクが強すぎて調理の仕方に悩むところです。

こういう台湾史に関するニッチな本もあるので、ローカル資料を集めるにはなかなかいい所です。

 


2.MRTの駅や観光スポットにも近い!

 

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最寄りの駅は、台北駅よりMRTの「西門」という駅の方が近く、ほぼ道一本。徒歩にして3~4分で到着します。
真夏だと、その3~4分で汗が吹き出て体力を消耗しますが、宿から駅まで前回紹介した台湾風アーケード「亭仔脚」(ディンアカ)の下なので、炎天下よりは全然マシです。
「西門」駅には2本の路線が交わっているので、ここから台北の各地へ向かうことができます。


地図で見ると、観光スポットへのアクセスも非常に便利なことがわかります。

oxygenhostelからの観光スポット

 

 

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①:西へ3~4分で行けば「西門町」という、「台湾の原宿」と言われる繁華街。

 

 

2017年8月台北総統府(旧台湾総督府)

②:南へ向かい、横断歩道を2つほど渡れば台湾の政治の心臓部である総統府。
憲兵が24時間周囲をウロウロしています。
ちなみに、総統府近景の写真撮影は厳禁なのでご注意を(遠くからの撮影はOK)。カメラを総統府に向けただけで憲兵がすっ飛んできます。憲兵さん、怪しい人はこっちで~す。

ちなみに写真の距離は・・・何も言われなかったのでギリギリOKか!?

 

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③:東にはニニ八記念公園や国立台湾博物館があり、こちらも信号2つ分の距離です。
台湾の歴史の勉強のために、公園内にあるニニ八記念館は是非行ってみて下さい。

これらの有名な地点を徒歩で行ける絶好のロケーションです。

 

3.清潔!

清潔、清潔感ゲストハウス

安宿系はけっこうな当たりハズレがあります。
HostelにHotelを求めてはいけないのは当然ですが、ハズレなHostelに当たるとそれはそれはもう、えらいことに。
ベッドにノミが湧いている不潔なベッドなどよくあること。最悪なのは、ベッドが南京虫の住処と化し噛まれると一ヶ月ほど痒さでもがき苦しむことに。
日本のコンビニのトイレの方が全然きれいやん!という所など、世界標準設備のはずのユースホステルでもありますからね。
しかし、これに関しては海外が汚いのではありません。日本の清潔へのこだわりが世界的に異常なのです。

 

しかし、ここは安宿の中でも「当たり」。
ゴミひとつ落ちてなくとにかく清潔です。館内スリッパも毎日交換され、不潔感がただよわないよう努力している姿が見えます。ホテルだとそんなもの当たり前じゃんとなりますが、「ス」の一文字が付くとそうでもない場合も数多いのです。
Hostel系はシャワー・トイレは共同なのがデフォルトです。
こういう共用スペースが不潔な宿は多いですが、ここはかなり清潔で使い勝手も良くできています。
洗面所も石鹸はもちろん、ドライヤーまで完備。
さらに水回りに清潔感を演出する建材を使っているので、清潔感には他外国人比50倍はうるさい日本人も満足です。


4.セキュリティがしっかりしている

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ドミトリーの最大の欠点の一つは、貴重品の管理が難しいこと。荷物を盗まれることはよくある話で、パスポートと財布は枕の下に敷いて寝るのはドミトリーのイロハあるね。
「そんな神経質な!」
世界中を放浪していた頃、そう言って笑っていた私の隣のベッドの日本人旅行者が、就寝中にそのパスポートと財布を盗まれていました。
当然、枕の下だった横のベッドの私は被害なし。ほれ言わんこっちゃない。
あまり思いたくないですが、ドミトリーでの貴重品管理は、相部屋の住人は全員盗人と思っておけくらいのセキュリティ感覚が必要です。

 

しかし、Oxygen Hostelはその欠点を見事にカバーしています。

 

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ここのキーですが、ICカードになっています。
各部屋のドアにはキーをタッチで認識するセンサーがあり、他人が入れないようにセキュリティが整っています。
さらに、部屋の中にはベッド分のロッカーがあるのですが、そこもキー認識になっていて、ロッカーをタッチすれば開閉ができる先進的システム。
今まで何十軒ものドミトリーに泊まりましたが、セキュリティーに関しては今まで泊まったドミトリーの中で最強です。
なんだかICカードが普及して時代が変わったなーと、幾分か年を感じました。


それ以前に、1階から宿泊階に上がるエレベーターが部屋のキーがないと動かないような仕組みになっています。

 

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エレベーターの階数ボタンの横にセンダーがありますが、

 

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このようにカードをエレベーターのセンサーにタッチしないと、いくらボタンを押しても全く反応しません。

こんなセキュリティガチガチのゲストハウスも珍しい。100点満点です。


5.プライバシーが守られる!

典型的なドミトリー

ドミトリーの最大の欠点その2は、プライバシーとやらが全くないこと。上の写真は典型的なドミトリーですが、これでは自分が何をしているか丸見えです。じゃあ着替えはどうするの?とか細かいことを気にする神経質な人は向きません。


しかし、これもOxegen Hostelはしっかりカバーしています。

 

台北のoxygen-hostelのドミトリーの中

各ベッドにはカーテンが敷かれてあり、視覚的なプライバシーは保てるように出来ています。
カーテンなのでいびきなど、聴覚的なものはどうしようもないですが、カーテン一つあるだけでもドミトリーの質感が全く違います。

 

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ベッドの枕元にはライトやコンセントの差し口(形は日本と同じ)もあり、ベッドの中で最低限のことは出来ます。USBが現代らしい。
日本人的にはカプセルホテルのような感覚ですね。

 

6.安い!

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そこまで清潔でセキュリティもしっかりしていれば…お高いんでしょ?
深夜のテレビショッピングのような流れですが、ところが!

 

私は4泊分をまとめてクレカで払ったので漠然としか覚えていませんが、一泊平均NT$500程度。だいたい1800円くらい。
日にちによって違いがあるようですが、ホテルサイトを見るとNT$450(約1600円)の時もあったので、だいたいNT$450~500の間、ざっくりで2000円以下とみて間違いない。

台北駅周辺ゲストハウス群」の中には、同じドミトリーでもNT$1000くらいは当たり前だったので、1ベッドあたりの値段と、台北市街地のど真ん中というロケーションを考えると、日本から予約できる台北の宿の中では最安値の一つではないかなと。

 

7.スタッフがアットホーム!

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ゲストハウスは基本的にスタッフと宿泊客の距離が近いので、自然とアットホームな雰囲気になります。
ここは良い意味で客さばきに慣れているのか、けっこうフレンドリーです。一部そうじゃないのもいますが(笑)
残念ながら日本語はダメみたいですが、英語は全く問題ありません。それも、英語も相手の英語力を見抜いて相手に合わせて英語を調整しているみたいです。
そういう意味でもすごく慣れてるなと。


しかし、ここの最強のメリットはこれに限ります。


8.デメリットらしいデメリットが見当たらない!

意地悪な小姑になってアラを探してみても、お世辞抜きで致命的なデメリットが本当にないのです。
それでも1つ挙げろと言われれば、洗濯機を使うのに10元硬貨しか使えないことくらいでしょうかね(笑)
しかし細かいお金がない場合は、ちゃんとフロントで両替をしてくれます。

 

総論

正直、ここは非常に気に入りました。
不特定多数の人と同じ部屋で寝るドミトリーに抵抗がある人でも、最低限のプライバシーは守られている上に、セキュリティもしっかりしているので、
ドミトリーがどんなものか興味ある人は初体験という意味でも、ここはハードルが非常に低い。数々のドミトリーに泊まってきた元バックパッカーが言うのだから間違いない。
私の台北の定宿はここで決まりのようなもの。次も是非泊まりたいではなく、絶対ここに帰ってくる!そう断言できる宿でした。ここはね・・・神推しです。

 

 

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