昭和考古学とブログエッセイの旅

昭和の遺物を訪ねて考察する、『昭和考古学』の世界へようこそ

ただごとではないファーウェイ問題

本題に入る前に

10月以来、約2ヶ月ぶりの更新です。
この2ヶ月間、ブログ営業ツールのはずのTwitterにかまけすぎたこともありますが、今後のブログの展開について考えていました。
私のブログは、長い、長い、とにかく長い。
それが個性といえばそうですが、正直申し上げると、書いている方はしんどい。そして何より、読む方も疲れると思います。


無期限リフレッシュ休暇よろしく他のブログをのんびり旅行した結果、以下の結論に。

1.1記事につき2~3000文字程度とする。それ以上になる場合は、「また次回へ~」と分ける

2.気張ることなく気ままに更新(週1~2程度でええやろ?)

 

こう決断すると、途端に書きたい意欲が湧いてきたのが不思議です。
「長い」がよほどプレッシャーとなっていたのでしょう。

そんなわけで、リフレッシュ休暇明け第一弾は、日本以外ではひっくり返っているファーウェイのお話を。


ファーウェイが置かれた状況

huaweiファーウェイ華威


ファーウェイと書くとなんでもないですが、華為と書くと青椒肉絲の香りが漂ってきます。そう、ファーウェイはれっきとした中国の企業です。以下「華為」とします。

華為は「中華有為」の略で、意味は「中華のために何かを為す」。この名からわかる通り、表向きは民間企業ながら中身は国営。言ってしまえば国策企業です。
華威は通信事業で世界中に進出してきましたが、米・豪・英などで製端末や部品の使用禁止でビジネスの危機に陥っています。
そして日本も、ようやく重い腰を上げました。端末を分解したら、
「余計なものが見つかった」
と。
「余計なもの」って何やねん。想像力をかき立てる日本語の曖昧表現の怖さよ。
Twitterでは早速、「余計なものとは何かを考える大喜利」のハッシュタグまで出現しました。


そんな逆風の中、副会長の孟CFOがカナダで拘束されました。フルネームを忘れた上に調べるのが面倒くさいので、以下孟女とします。
建前は輸出禁止国のイランに対しこっそりモノを輸出しようとした容疑ですが、拘束された彼女には、とんでもない秘密が隠されていました。
孟女は、7つのパスポートを持っていたのです。

「7つのパスポートを持つ女」…スパイ小説の題名のにおいが。
私の脳内では、「007 7つのパスポートを持つ女」が絶賛上映中です。


華威問題の本質

アメリカ司法省は、晒し首として彼女のパスポート番号を公開しました。

ja.scribd.com

 

huaweimeng'spassport

(米国司法省HPより抜粋)

7つといっても内訳は中国&香港ですが、パスポートは一人につき一冊のみ発行。これは国際法のルールです。
もしこの件が、「7つのパスポート」すべて違う国だったなら無問題。先日逮捕されたカルロス・ゴーンも、4カ国のパスポートを持っていますし。
しかし、今回は同一国のが7冊。これってどういうこと?

 

 

これが政府発行の公式パスポート、つまり本物としましょう。
中国は政府自ら国際法違反、公文書偽造に手を染めていることになります。
「我が国は世界のルールを守る気なんてさらさらありません!」
と世界中に宣言しているようなものです。本音はそうでしょうが、言っていいことと悪いことがある。
当然、中国の国際的信用はガタ落ちです。

 

これがどれだけ(悪い意味で)すごいことか。

 

カリオストロの城
「ルパン三世」シリーズ不朽の名作に『カリオストロの城』があります。
そこに出てくる「カリオストロ公国」は、国連加盟国ながら陰で偽札を作っていた…当然フィクションです。
が!偽札とパスポートという違いはあれど、公文書偽造という点ではカリオストロ公国と同レベル。

??「奴はとんでもないものを盗んでいきました。あなたの個人情報です」

中国には「鬼城」だけでなく「カリオストロ城」まであったのかと、中国観察歴25年の私も驚きを隠せません。だから中国観察はやめられない。


もう一つの可能性…パスポートは偽物、もしくは政府が本物ではないと否定したとしましょう。
孟女は世界的大企業のNo.2です。さらに華為の創業者の娘なので、文字通りの看板娘。
そんな人間が、偽造パスポートで世界中をほっつき歩いていた…そんな会社、信用できますか?
当然、評判はガタ落ち。海外ビジネス界では生きていけないでしょう。


詳しくは書きませんが、中国社会は面子(メンツ)社会でもあります。
面子は中国人…というか漢民族の自尊心と直結しているため、面子を潰すとさあ大変。翌日の食事に毒を盛られ、養豚場のブタのエサになります。
「一民間人の拘束」に対し中国が過剰なほどの反応を見せている理由。それはスパイ疑惑でヤバいことがバレそう…ということもありますが、中国の面子の問題…つまり国の面子が潰れそうな「大事件」でもあるからなのです。


どちらの面子が潰れるのか

孟女の旅券がもし…

本物:中国の国際法違反(それも故意)暴露

中国政府の面子丸つぶれ

偽物:企業No.2が偽造パスポートを使用した

華為の面子丸つぶれ

さて、どちらの面子が潰れるのか?命と金の次に大切な面子をめぐる究極の二択です。
中国政府は、己の面子のためにしっぽに火がついた華為を切り捨てにかかるでしょう。華為は共産党が手塩にかけて育てた企業ですが、面子のためには何のためらいもなく捨てるでしょう。


ただ、向こうも面子があるので黙ってはいまい。
養豚場のエサにされそうな孟女が、すべて白状しますと中共のやり口を暴露する可能性も。「一民間人」に複数のパスポートを発行するのは、"何らかの理由"があるはずなので、何かしら秘密を握っているのは間違いない。
そうなると聞こえてくるのは…

 

トランプの笑い

アメリカの高笑い(勝利宣言)。
それも中国政府の面子が許すわけがない。華為に有形無形の圧力をかけてくるはず。

 

進むも地獄、退くも地獄の中国さん、さあどうすんの?

 

面子という概念から見た「華為事件」は非常に面白い。
中国ウォッチャーとして、対岸で「お祭り」を見物させていただきますか。