昭和考古学とブログエッセイの旅へ

昭和の遺物を訪ねて考察する、『昭和考古学』の世界へようこそ

『探偵ナイトスクープ』のアホバカ分布図 各地方の「アホバカ」表現編

関西の人気テレビ番組『探偵ナイトスクープ』で、今から27年前に視聴者からの素朴な疑問から始まった「アホバカ分布」のことを先日お話しました。

 

parupuntenobu.hatenablog.jp

 

上の記事を見ていない方は、まず上の記事からどうぞ。

そうでないと、おそらく今からの流れがわからないと思うので!?

 

関西人の言う「6チャン」ことABCテレビが予算をつぎ込み、全国の教育委員会すべてに、

「オタクの地域の『アホバカ』は何と言いますか?」

というアンケート用紙を送り、電話での問い合わせも含めて「すべて」から回答を得ました。

その結果、出来上がった地図、タイトルにもなっている「アホバカ分布図」が出来上がりました。

それが下の地図です。

 

アホバカ分布図

探偵ナイトスクープ』らしいとも言えるし、らしくもないと言えるこの「アホバカ分布図」を見ると、実に面白いことがわかるのです。

「アホバカ」は、全国で約320種類の言い方があるのですが、いちいち挙げていたらキリがないということで、『アホバカ分布図』は言語学者の監修のもと上位23種を中心に挙げています。

この分布図は、気合が入りすぎて印刷しすぎたらしく、当時の『探偵ナイトスクープ』の収録見学者に無料で配られていました。しかし非売品のため今は幻の品になっています。ぶっちゃけ、私もこの完全な形で写っている分布図の画像を探すのに、どれだけ苦労したか。

しかし、それだけあって拡大したりして細かく見ていくと、言語や方言に興味がある私にとっては、手に汗握ると言って良いほどの面白さでした。

 

その方言分布を、今回はひとまず地方別に分けてみます。

続きを読む

禁煙と行動記憶

f:id:casemaestro89:20170606153821j:plain

 

とある駅の中。駅の名前も、場所もわからない。
時間もわからない。昼なのか夜なのか、それとも朝なのか。
そもそも、何故私がそこにいるのか。それすらわからない。

 

 

 

f:id:casemaestro89:20170606154016j:plain

私は喫煙所の前で立ち止まっていた。立ち止まり考え込んでいた。
ここから中へ入るのは、何故かダメと言われている気がするのだ。
誰かが私を止めている気がするのだ。いや、「誰か」とは私自身なのか。もう一人の私なのか、それはわからない。

 

しかし、私は足を喫煙所の前へ進めた。
むさ苦しいほどの白く濃い煙の霧が私を包み、人は皆口から煙を吐き出している。

煙のあまりの濃さに私は思わずむせてしまったが、不思議と不快ではない。
どこか懐かしい煙の匂い。母胎に帰ったかのような安心感。

ひとまず、私はこの匂いで満足することにした。

 

しかし、意識せずスーツの上着のポケットに手をやった。
そこはタバコとライターが常に待機している縄張りだ。

私はポケットからタバコを出し、ライターで火をつける。

 

 

f:id:casemaestro89:20170606154115j:plain

思い切り久しぶりの煙を吸った。
まるで昔別れた恋人と久しぶりに会ったような、甘い味がした。
水がなくなった池に水が注入され水で満たされるような、そんな満足感。
スゥーっと身も心も充足されてゆく。

嗚呼、この一本は、何故こんなに美味いのか。


しかし、私はここで気づいた。
何故喫煙所の前で足がすくんだのか、火を入れ煙を吸った時点で気づいた。
そう、私は禁煙中だったのだ!!

 

嗚呼、ついに吸ってしまった。
私の挑戦は、またふりだしに戻ることとなった。
自分の意志の弱さが恨めしい。
これほど自分が恨めしく、罪な存在と思ったことはない。

その時、喫煙所の囲みは消え、灰皿だけが立つ、赤い大地がむき出しになった砂漠のような場所に、火がついたタバコを指で挟みながら立ちすくんでいた。
タバコから落ちた灰が、音をたてることもなく私の靴の上に落ちていた。

 

続きを読む

あなたの知らない、世界の仲が悪い隣どうしの国々

f:id:casemaestro89:20170623212324p:plain

「みんな仲良くしようね」

「お隣さんに迷惑をかけない」

我々が当たり前のように思っている「常識」ですよね。

 

しかし、それは「日本だけの常識」であって、海外では通用しません。

いや、理想論としては通用します。しかしあくまで理想論であり、机上の空論です。

海外の常識は、

「お隣だからって何で仲良くしないといけないんだよ!」

 です。

少なくても、日本的理想論及感情的的仲良論は通用しません。本当に仲良くして欲しい、仲良くしないといけないと心の底から思うなら、仲良くしないといけない確固たるロジックを用意しないと、外国人は納得しませんよ。

  

例外でお隣なのに仲が良い例外的な国・地域は、北欧諸国とイスラム共同体。しかし、後者はカタール周辺諸国の国交断絶や、スンニー派の国々とシーア派のイランなどの対立もあるので、もはや理想論だけになってしまいました。

 

敢えて言うなら、世界は「お隣さんどうしみんな仲悪い」と最小公倍数的に考えて結構なのですが、その中でも日本人が案外知らない、かつ有名な「犬猿の仲」をお勉強していきたいと思います。

 

続きを読む

選手宣誓はナチス由来!?その俗説に反証する

ドイツ人と日本人のハーフタレント、サッシャさんのブログより

 

lineblog.me

 

TV番組の『世界番付』にレギュラーで出ており、なんだ久しぶりだなと旧友に道端で会った気分でした。相手は「しらねーよ!」ですけど(笑)
『世界番付』が終わった後は何してるのかなーと思っていたら、なにやらきな臭いことを書いておられます。サッシャさん、新たな炎上商売ですか?


サッシャさんのブログの内容を見るに、明らかに思い込みから来ているのではないかと思います。
ドイツ式自虐史観、いわゆる「すべてがナチスに見える」です。
一昔前の日本でも同じでした。時代は平成に入るか入らないかの頃、夏休みの自由研究で旧帝国海軍の事を書いたことがあります。
内容は戦争賛美でも何でもなく、ただの近所の元海軍さんの思い出話でした。思春期だったのでエロ話もふんだんに(笑)
しかし、戦争のことを面白おかしく書くなんて何事だ!戦争で亡くなった人たちに申し訳ないと思わないのか!と、親呼び出しの上『右翼分子』のレッテル貼られ酷評でしたよ、ええ。

今考えてみると、先生とサッシャさんは根っこが同じ思考なのですよね。

 

サッシャさんも、右手を挙げる動作がすべて「ナチス式敬礼」に見えるのでしょう。
坊主憎けりゃ袈裟まで憎い。じきに

 

f:id:casemaestro89:20170622143140j:plain

 

初音ミクのこんな画像も、

 

f:id:casemaestro89:20170622143404j:plain

 

ホームランのガッツポーズも「ナチス式敬礼だ!」と叩かれるのでしょうね。

アホくさと思うでしょうが、思い込んでいる人にはそう見えるのです。思い込んでいる人は、馬も鹿に見えるのです。

 

ドイツ在住歴ン十年の知り合いはその昔、タクシーを止めるために右手を挙げたら近くの人数人から罵声を浴び、何がなんだかわからなかったそうです。
その話を聞き、私がすかさず

「それってドイツ式自虐史観ですやん」

と半笑いしたところ、彼女いわく。
「ドイツ式自虐史観か。そんなの(ドイツに)ゴロゴロいるわよww」

ドイツ式自虐史観は日本より根が深いようで、主に旧西独国民に多く旧東独は自虐教育を受けなかったのであまりその傾向がない。ぶっちゃけ旧東独の教育を受けた人の方が、変な自虐史観がない分思考が自由とのことですが、個人的感触なので話半分に聞いてくれとのこと。

彼もその一人だと思えば、どうということはありません。


私は、ちょっと引っかかるのです。
サッシャさんは言います。

「大人になって調べてみると…このポーズ

本当にナチス式敬礼だったのです!」

 

はい、断定してますね。言い切ってますね!


試しに「選手宣誓 由来」でググってみました。

 

 

f:id:casemaestro89:20170622112616j:plain

 

1ページ目は、見事に「ナチス」一色です。「ナチス一色(イッショク)」・・・役満です。親なら48,000点です・・・って麻雀じゃない。

これらの「ナチス説」を丹念に見ていくと、

「選手宣誓(の右手挙げ)はベルリンオリンピックから始まった」

「日本はそれをドイツから輸入した」

というのが、少なくてもネット上では「定説」となっています。

しかし、果たして本当にそうなのでしょうか。

 

続きを読む

『探偵ナイトスクープ』のアホバカ分布図 プロローグ編

f:id:casemaestro89:20170620154503j:plain

 

探偵ナイトスクープというテレビ番組があります。
深夜番組なのに関西で視聴率30%を出したお化け番組として知名度が高い番組です。この記事を見ている人の中でも、毎週見てます!という人(特に関西人)が多くいると思います。


知らない人のために説明しておくと、『探偵ナイトスクープ』は一般視聴者からの素朴な疑問に、『探偵』(調査員のお笑いタレント)が調査し答えるバラエティ番組です。
また、視聴者の力では実現できない夢を叶えさせて欲しい、という要望もあります。

爆笑したかと思えば感動して涙したり、見てる方もなかなか忙しくなる番組です。

この番組のまことに大阪らしいところは、依頼人が視聴者である素人なのはもちろん、アドリブで赤の他人の素人(通りすがりのおばちゃんとか)も平気で巻き込むところ。
依頼人へのインタビューなど現場対応も、相手が「そこらの一般市民」なのでそれなりのガイドラインが存在しますが、基本はディレクターと『探偵』にすべてお任せの台本なしだそうです。
今は視聴率30%の勢いはないですが、関西での知名度と人気はダントツ。何気に来年で放送30年、1988年からやっている長寿番組でもあります。

 

30年近くもやっていると、「神回」と呼ばれる回がいくつも登場します。

 

「ゾンビと戦う子どもたち」

:とにかく子供がかわいい!ダウンタウン松本人志がいちばんおすすめする回。

ダウンタウン松本人志は、『探偵ナイトスクープ』を欠かさず見ていると公言しています。


「23年間会話のない夫婦」

:夫が23年間、ある理由で妻を「無視」しているのですが、その理由が面白いというか何というか…。


「動物大嫌いな保育園の先生」

:動物嫌いを克服したいという保育園の先生からの依頼ですが、その無茶ぶりが関西ならではの爆笑もの。勤務先が私の小中学校の時住んでいた家のすぐ近くの保育園やん!という意味でも非常に笑いました。


「レイテ島からのハガキ」

:戦争末期にレイテ島で戦死した父の手紙解読にあたる号泣不可避の回ですが、国立奈良文化財研究所や古文書解読の専門家まで巻き込むはちゃめちゃぶりにも笑ってしまいます。国立の研究所がよく承諾したなと思いますが、研究所といえどもノリが関西なんでしょうかね!?

 

あたりが、爆笑も涙も含めた個人的な「神回」ですが、なにせもう30年近くもやっているので、人によって「神回」は違うと思います。

 

その中でも「神回中の神回」と語り継がれる、否、神回などという低次元な言葉で処理できない一大プロジェクトが、25年以上昔にあったのはご存知でしょうか。

あくまでバラエティなので、番組構成はあくまで関西風お笑い系ですが、クオリティはNHKスペシャルをしのぐ大スケール。『探偵ナイトスクープ』がただのアホ番組に終わらない、全国に「『探偵ナイトスクープ』ここにあり!」と知らしめた伝説のシリーズでした。


しかし、それが放映された時はまだ関西ローカルだった時だったので、関西人以外は見たことも聞いたこともないかもしれません。

 

続きを読む

雑記型と特化型・・・何故分けないといけないの?

f:id:casemaestro89:20170619210753p:plain

少し言葉は古いですが、「ブログサーフィン」が最近の楽しみになっています。

読者登録しているブログはもちろんですが、いつも私のブログを訪問してくれる方のブログや、他のブログに押してあるスターを適当に踏み、そこのブログを見てみるのも楽しくて仕方がない。

中国に留学していた20代前半、バス停でバスを待ち、行き先も何も考えず来たバスに乗り、適当なところで下りる。そこのバス停でまた適当にバスに乗る。という遊びをしていました。

行き先なんて全く考えず、来たバスに乗るだけなので、気づいたらここはどこ?と地名すら聞いたことがない場所に着いていた・・・なんて事はしょっちゅう。

仕方ない、タクシーで帰るか!と思ったら、そのタクシーが全く走っていない。地元の人に道を聞こうとしても、中国語すら通じない(方言オンリー)。やっとタクシーが来たと思ったら乗車拒否。スリルとサスペンスいっぱいの自作ミステリーツアーでした。

 

それと基本は同じことを、今ブログの世界でやっています。

タイトルも見ずに、その人がどんなブログを書いているかもノーヒントの状態で訪問すると、余計な先入観を持たずスッとそのブログに入ることができます。

 

特に好きなのが各ブロガーが書くブログ論です。ブロガーが100人いればそれぞれのブログ論があるのは当たり前。なるほどなーと感心したり、いや、それは違うんじゃないかなと訝しんだり、それぞれがそれぞれの個性があります。その個性がぶつかると、たまにはケンカになることもありますが、それで勉強し良いところは吸収してゆけば良い。

それでいいじゃないか。

 

続きを読む

真田山陸軍墓地-大阪の真ん中にある静寂の異空間【昭和考古学】

f:id:casemaestro89:20170610203245j:plain

 

古本屋と神社に行っただけだったのが・・・

先日、大阪市内にある三光神社に行ってきました。

 

大阪 三光神社

そもそもメインの目的は神社ではなく、その周りにあった古本屋だったのですが、「たまたまそこに神社があった」的な感覚で、吸い込まれるように境内へ入っていきました。

 

この神社は、第18代天皇反正天皇の時代、西暦なら330~410年の間に創建された神社って言われている、1700年の歴史を持つ古い神社です。しかし、知名度はというとほとんど知られていないのではないでしょうか。

武内宿禰の末裔と言われる武川氏が神職として奉職しており、今で86代目らしいです。地味ではあるものの、天皇家出雲大社宮司である千家並みの息の長さです。

 

この神社の珍しいところは、名前にもなっている「三光社」が中風(ちゅうぶ。脳疾患の後遺症)封じのご利益があるそうで、毎年6月に中風封じの神事も行われています。

 

そして、この神社はおそらく、去年一昨年からめちゃくちゃ有名になったと思います。

その理由は大河ドラマ真田丸

 

f:id:casemaestro89:20170618212006j:plain

 

柵には六文銭のマーク。六文銭と言えば真田幸村
この神社は「宰相山」、またの名を「真田山」と言われています。上の写真の柵の奥には人工的に掘られた洞窟があるらしく、これは「真田丸」から大阪城へ続く抜け穴と言い伝えられています。

この抜け穴、三光神社のHPによると、毎年11月の第一日曜日に1日だけ開放されるそうです。戦国時代や真田幸村ファンにはたまらないのではないですかね!?私もこの時ヒマで、かつ覚えていたら行ってみようと思います。

 

 

 

三光神社の片脚だけの鳥居

 

真田幸村だなんとかで見逃されがちなのが、この「片脚だけの鳥居」。

大阪大空襲の被害はこの神社にも及び、空襲で鳥居が破壊され片脚だけが残ったものです。

上についている黒ずんだ部分は、空襲当時のまま残る焦げた跡だそうです。

 

この鳥居には寄進した人の名前が書いているのですが、その名前には。

 

陣幕」「不知火」「藤島」「押尾川

 

このキーワードの共通点は、わかる人にゃわかりますよね。
その答えは「相撲」。はい、全部相撲の年寄(親方)の名前であります。

大坂相撲があった頃、相撲の年寄が寄進したものなのでしょう。

 

この三光神社だけでも、十分一記事に値するのですが、ここまではあくまで前菜。

メインディッシュはこれから続きます。

 

続きを読む